システム構築段階

 デジタルビジネスを実装するシステムの企画、システム化計画、要件定義といったシステム開発とデジタルビジネスが稼働するシステム基盤などの調達、導入といった環境整備の段階においても、これまでと異なる協調関係が模索されている(図2)

 前述のとおり、イノベーション案件には、成果物を明確に定めた請負型の業務委託契約による分業は向かない。そのため、いくつかの新たな契約形態が試みられている。

 最も馴染みがあるであろう形態が、「準委任契約による超上流支援」ではないだろうか。経済産業省が発表した「情報システム・モデル取引・契約書」においても、システム化の方向性、システム化計画、要件定義といった超上流工程では準委任型が推奨されている。

 前述のアイデアソン/ハッカソン支援やプロトタイピング/PoC支援も、当初から成果物を特定することができないため、準委任型の契約が一般的となるだろうが、それに加えて本番環境の構築においてもより柔軟な契約形態が求められるであろう。

 2011年に設立されたソニックガーデンは、「納品のない受託開発」というコンセプトを打ち出し、オーダーメイドの受託開発でありながら、月額定額(サブスクリプション)でサービスを提供している。また、顧客からの個別の要件に応じたシステムを構築したうえで、そのシステムを利用して得られる収益の中から一定割合を報酬として受け取るレベニューシェア型の契約や、初期費用を負担せずに構築されたシステムの利用量に応じて、料金を支払う成果報酬型の契約なども試みられている。

イノベーションはシステム会社丸投げでは<br />実現しない