日本でのハイブリッド車人気は、トヨタが火をつけた格好で、他社も含めてエコカーはHVが主流となっている。その先頭を切るのがプリウスだが、トヨタが1997年末に初代プリウスHVを投入した際は、当時のトヨタの奥田社長が「赤字覚悟で発売に踏み切った」と発言したのが話題になったほどであった。

 つまり、トヨタは21世紀に向けての環境対応の先駆けとしてエンジンと電動モーターで駆動するハイブリッド車を思い切って発売にこぎ着けたわけだ。初代プリウスのキャッチコピーが「21世紀に間に合いました」のフレーズだったことでもそれが裏付けられる。

 それから十数年を経過し、21世紀移行後の次世代環境車は電気自動車(EV)か燃料電池車(FCV)か、といろいろな論議がされているが、インフラの整備なども含めると、一長一短で実用化・普及という面で時間がかかりそうだ。その普及ということでは、実用面でエンジンとモーターを併用できるハイブリッド車が先行した。とくにトヨタHV戦略が初代プリウスの思い切った投入から18年経過する中で開花していったのである。

世界の環境規制強化の動きで
HV戦略の転換を余儀なくされた

 だが、世界の環境規制強化の動きは、トヨタがエコカー戦略の中心に据えてきたHV戦略の転換を余儀なくされる。というのも、米国内で最大の自動車市場であるカリフォルニア州のZEV規制(ゼブ規制)では、17年モデルからHVがエコカーと認められなくなる。また、世界最大の市場である中国は、政府の環境規制強化でHVが補助金対象から外れることになった。

 これに対し、先進PHVは、エコカーの範囲として認知されており、トヨタとしても従来のHV戦略をPHV戦略に転換していくグローバル展開を迫られた事情があるというわけである。

 そこで、日本で今冬発売予定の新型プリウスPHVモデルが注目されることになる。この新型プリウスPHVの開発チーフエンジニアの豊島浩二氏によれば、「エコカーは普及してこそ環境への貢献であり、PHVの位置づけはHVに次ぐ次世代環境車の柱としていく」ことで開発を進めたと言う。

 ゆえに、新型プリウスPHVは4代目プリウスの追加モデルというよりも、トヨタのPHV新車種といった見方ができるのだ。「社内でも車名を変えるかという論議もしたほど」(豊島チーフエンジニア)と言う。

 それだけ、新型プリウスPHVは、開発のポイントに(1)デザイン、(2)環境にいい/走りがいい、(3)電気の有効活用---を置き、いくつかのトヨタ初採用も散りばめて従来のPHVモデルを大幅に進化させた。

 プラットフォームは4代目プリウスと共通のTNGAプラットフォームだが、全長は4645mmと105mm長くなった。デザインもフロントフェイスと、リヤのバックデザインが4代目プリウスと差別化され、いわゆるかっこいいデザインを強調した感がある。とくにバックドアの骨格に炭素繊維強化樹脂(CFRP)のカーボン素材を新たに採用し約40%の軽量化と成形伸しやすさを活用し独特の曲線を描くバックデザインとなっている。