自らをインセルと名乗った22歳のエリオット・ロジャーは、2014年にカリフォルニア州サンタバーバラで銃を乱射して6人を殺害し、自らの命を絶った。ロジャーは、インセルの掲示板でもてはやされる存在だった。銃乱射の前日、ロジャーはYouTubeに「報復」というタイトルの動画を投稿した。

 動画でロジャーは、"甘やかされた高慢なブロンドの尻軽女を虐殺する計画"の詳細を説明し、「お前たちと付き合えないのであれば、破壊してやる」「お前たちはようやく、俺が本当に優れた男であるとわかるだろう」と発言している。

10件の第1級殺人罪で告発されたアレク・ミナシアンのFacebook投稿10件の第1級殺人罪で告発されたアレク・ミナシアンのFacebook投稿。「インセルの抵抗はすでに始まった!全てのチャドとステイシーを葬り去る!最高の紳士エリオット・ロジャー、万歳!」と書かれている Photo:Facebook

 ロジャーに影響を受けて、同じように殺人に走ったインセルもいる。

 2018年4月、カナダのトロントでワゴン車が歩道に突っ込み、8人の女性と2人の男性が殺された。運転していた25歳のアレク・ミナシアンは犯行の直前、Facebookに「インセルの抵抗はすでに始まった!我々は全てのチャドとステイシーを葬り去る!」と書き込んでいた。チャドは魅力的な男性、ステイシーは魅力的な女性を指す言葉だ。

 トロントでは、7月23日にも銃で武装した男が18歳の女性と10歳の女の子を殺害する事件が起きたが、事件後、インセルの掲示板では「これもインセル仲間の犯罪なのではないか」と盛り上がった。

 2011年7月にノルウェーで77人を殺害した、極右テロリストのアンネシュ・ブレイビクも、暴力的な女性蔑視主義を表現していた。自分の外見にも固執していて、額や鼻、あごなどをテロの前に整形していたと報じられている。

 インセルのコミュニティでは、他にもこんな男たちが"ヒーロー"として称えられている。

 2009年にペンシルバニア州でフィットネスクラブで3人を銃で殺害し、自殺したジョージ・ソディーニ容疑者。

 2007年にバージニア工科大学で32人を殺害したチョ・スンヒ容疑者。スンヒ容疑者は二人の女性をストーカーしていたと報じられている。

 マルク・レピーヌ容疑者は、1989年にカナダのモントリオール工科大学で男性学生と女性学生を分けた後、女性14人を殺害した。

イラスト多くのインセルは、セックスをするかどうかを決めるのは女性であり、女性は生まれつき浅はかだと考えている JI SUB JEONG/HUFFPOST