銀行の海外送金システムがもはや「時代遅れ」の理由

 ビットコインは、国内の送金ですでに銀行システムより優れていることは、前々回述べた。受け取り者が海外にいる場合には、ビットコインの優位性はさらに顕著だ。なぜなら、ビットコイン送金手数料は、国内でも国外でも同じでほぼゼロだが、以下に見るように、銀行の海外送金コストは著しく高いからだ。

ビットコインなら
海外送金も国内同様に安くできる

 前々回に見たように、ビットフライヤー(bitFlyer)の場合、国内の指定銀行の口座から円を入金してビットコインを購入するコストは、ゼロである。そして、これを送金する手数料は、0.0005BTC(約70円)だ。

 したがって、海外にいる受け取り者がビットコインを受け入れれば、非常に安いコストで送れる。そして、銀行を通して海外送金する際の手数料の費用を回避できる。

 もちろん、まだアメリカでも、ビットコインを受け入れる主体は限定的だ。アメリカで商品を買って代金を払うようなときに、必ずビットコインを受け入れてくれるとは限らない。

 ただし、受け取ったビットコインをドルなどの現地通貨に変換してくれるサービスが存在する。そして、これは、日本円の場合より充実している。

 こうしたコストはかかるが、それでもこれから述べる現行の銀行の海外送金システムのコストに比べれば、遥かに安い。しかも、この類のサービスは、将来さらに増えるだろう。したがって、海外送金をビットコインで行なうための条件は整っている、

 銀行にとっては、大きな収益源である海外送金が、もはや競争力のないサービスになってしまっているのだ。銀行からすれば、実に大きな問題である。

銀行を使う海外送金費用は3つある
為替マージンを払うコストは大きい

 現行のシステムで銀行を通じて海外送金する場合にかかるコストは、次の3つだ。

(1)送金手数料

(2)為替マージン(スプレッド)

(3)受け取り先の手数料