TOTO社長 張本邦雄<br />インドでの現地生産を計画<br />最高級ブランドの確立を狙うPhoto by Toshiaki Usami

──新たな海外進出としてインドの新工場建設を計画している。

 インドは年率8%程度の継続した経済成長率が期待され、富裕層が次々に誕生、拡大する重要拠点だ。現在はタイやベトナムから商品を供給しているが、順調に販売数を伸ばしているので数年内に現地生産に踏み切る。原材料調達に優位な北西部のグジャラート州を予定しており、トイレの生産能力は年間40万~50万台程度になるだろう。今年中に正式決定する。

──中国では最高級市場に特化したブランディングが成功している。インドでも同様の戦略か。

 中国におけるトイレの市場は年間約5000万台、その上位10%のゾーンで当社は4割程度のシェアを持つ。進出当初は空港や高級ホテルへ納入し、洗練されたイメージの宣伝や富裕層に好まれるモダンなデザインでブランドを築いた。利益率も高く、当社全体の営業利益の6割を中国で稼いでいる。インドでも同様の手法でTOTOブランドを確立していく。

──中国では生産能力の増強やショールームの新設が活発だ。

 上海の第2工場が今年立ち上がり、能力は240万台に、2013年には福建省で新工場が稼働し、現在の1.6倍に当たる300万台になる。これでようやく日本と同じ能力になる予定だ。