今の野党では「大義なき解散」でも自民党に絶対勝てない理由Photo:首相官邸

ようやく遅すぎる釈明会見を開いた豊田真由子衆議院議員の暴言事件、知名度の高い今井絵理子参議院議員の不倫事件、森友・加計問題や閣僚達の一連の不祥事などで支持率を落とした自民党だが、野党に自民党を倒せるような勢いはなさそうだ。民進党は蓮舫元代表の辞任劇と山尾志桜里衆議院議員の離党事件で揺れに揺れ、日本維新の会は橋下徹元代表が去ってから党勢は衰え続け、9月24日に投開票された堺市長選でも敗北を喫した。有権者は、一体何をどう選べばよいのか。(政治ジャーナリスト 黒瀬徹一)

突然の大義なき「台風解散」
野党は戦いやすいはずだが…

 9月の三連休、日本列島を台風18号が縦断した。旅行予定の変更を余儀なくされた方々も多かったかもしれないが、台風のような解散風が吹き荒れ、永田町の住民たちは多くの予定変更に迫られたことだろう。

 28日召集の臨時国会冒頭、衆議院を解散する――。

 もし、臨時国会の冒頭で衆議院が解散されれば、10月中にも衆議院議員選挙が実施されることになる。

 森友・加計問題や閣僚たちの一連の不祥事、遅すぎる釈明会見を開いた豊田真由子衆議院議員の暴言事件などで支持率を落とす自民党。野党にとっては戦いやすい状況であるはずが、臨戦態勢が整っているようには全く思えない。

 民進党は蓮舫元代表の辞任劇と山尾志桜里衆議院議員の離党事件で揺れに揺れ、日本維新の会は橋下徹元代表が党役職を去ってから衰退に歯止めがかからず、先週末9月24日に投開票された堺市長選でも維新候補が敗北を喫した。衆院選を前に立ち上げられた、首都東京で注目が集まっている小池新党「希望の党」にしても、国政へ進出する大義名分が見えない。