「キャッシュレス還元祭り」に踊らされ、搾取される人の残念な傾向消費増税後に始まったキャッシュレス決済のポイント還元事業が、順調に利用を伸ばしている。しかし、その仕組みには落とし穴もある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

キャッシュレス花盛りの日本列島
でも、ちょっと考えてみよう

 消費増税対策としてスタートしたキャッシュレス決済のポイント還元事業だが、順調に利用も伸びているようで、政府はポイント原資が不足する恐れが高まったとして、約2700億円の追加予算を計上する方針だという。

 1日平均の還元額については、スタート当初は約8億円だったが、現在は約14億円(2019年12月16日現在)にまで増加しているうえ、年末年始商戦でもうひと伸びという思惑もあったのだろう。

 なお、この還元事業の対象に入らない大手企業の決済に対しても、決済業者独自のキャンペーンが行われ、まさに日本列島中がキャッシュレス花盛りといったところだ。

 その一方で、ヤフーを傘下に収めるZホールディングスとLINEの経営統合、KDDIとローソンの提携など、早くも「祭り」の後のスマホ決済再編の動きも見えてきた。彼らに先陣を切らせていたようにも見えるカード会社も、かざすだけのタッチ(コンタクトレス)決済を軸に攻勢をかけようとしている。

 そんな業界事情に振り回されるのが消費者だ。「現金で払うのはもったいない」という風潮に押され、キャッシュレスに邁進しているニッポンだが、中には「キャッシュレスの被搾取予備軍」になっている人もいるのではないだろうか。トクだと思って使っているつもりが、逆にむしり取られる側になってはいまいか。果たしてあなたがそうなっていないか、次の項目を読んでぜひ自問してみてほしい。