銅相場は高値圏にあるが、上値は重い。3月19日に1トン当たり4371ドルと2016年1月以来の安値を付けた後、上昇傾向で推移し、足元は6900ドル台と18年6月以来の高値を付けた。ようやく高値を更新する動きになった。

 銅相場上昇の背景には、各国での金融緩和や財政出動など危機対応の進展や、制限されていた経済活動の再開があり、景気や需要に対する不安心理が和らいだことがある。特に最大消費国である中国の需要回復が相場を押し上げた。

 銅供給の制約も相場の支援材料となった。チリやペルーでは新型コロナウイルス感染拡大の影響で操業停止に陥る鉱山が相次ぐなど、6~7月ごろには供給懸念が広がった。チリの鉱山でストライキが発生する可能性が高まったこともあり、7月半ばには騰勢が強まる場面があった。