「通うのが楽しみ」なデイサービスで後発ながら急成長し、FC事業も展開

――デイサービス「リゾートアロハ」を2016年に開設されたそうですが、かなり後発の参入なのでは?

梅村 完全に後発ですね。もともと弊社は岐阜県でマンションメンテナンス事業とパチンコ店の経営を行っている企業です。パチンコ店は最大で3店舗を経営していたのですが、業界全体が不振だったことから、もう一つ事業の柱を模索していました。パチンコ店での接客スキルを生かせる業種はないかと考え、着目したのが、デイサービスだったのです。

 周囲からは「今からでは遅い」と言われましたが、5年で全国17施設と、順調に成長してきました。利用率も高く、定員が埋まっている施設もあります。

――なぜ後発で急成長できたのでしょう?

梅村 「『お客さま』が楽しみに通ってくるデイサービス」というコンセプトを徹底的に追求したからだと思います。

 デイサービスを始めるに当たり、既存の施設をリサーチしたのですが、やや違和感を覚えました。

 デイサービスは接客業ではありませんし、リハビリ目的なので仕方がない面もあるのですが、利用者がやりたくないことをやらされている。「お客さま目線のサービス」が提供されていないと感じたのです。

 一方、弊社はパチンコ店で、いかにお客さまに楽しんでいただくかを常に考えてきました。お客さま一人一人のカルテを作り、好きな台やタバコの銘柄をメモして会話につなげていましたし、イベントの開催や、店への無料送迎も行っていました。そうしたノウハウを生かして接客業としてのデイサービスを造れば喜ばれるし、他の施設との差別化が図れるのではないかと考えたのです。

「通うのが楽しみ」なデイサービスで後発ながら急成長し、FC事業も展開常務取締役・梅村和宏氏。1973年、岐阜県生まれ。他社のパチンコ店に12年間勤務。2006年、白川商事(現・クレド)パチンコ事業部に入社。現在、クレド常務取締役。

――具体的にはどんなサービスを提供しているのでしょうか?

梅村 まずは、パチンコやビリヤード、マージャン、カラオケなど、楽しめるものをたくさん用意しています。初詣やビール工場見学、VRを使ったバーチャル旅行など、イベントも数多く開催。また、お風呂はプライバシーを重視した個室です。もちろん、リハビリ用のトレーニングマシンもそろえています。

 ポイントは、これらのサービスを利用するもしないもお客さまの自由。「自己選択型ケア」だということ。強制的に何かをしていただくことは一切ありません。極端な話、何もしなくてもOK。お客さまが自分の意思で楽しく遊ぶことで、結果的にリハビリになるという考え方です。