日本初「ひきこもり白書」の1686人調査で判明、ひきこもる人の実像とは?Photo:PIXTA

1686人の調査に基づく日本初の「ひきこもり白書」が出版された。アンケートによる定量的な分析に加えて、約46万字に上る自由記述の引用もあり、質的な分析が盛り込まれている。さらに、年末年始の緊急アンケートも特別収録。コロナ禍が猛威を振るったこの1年間にひきこもり状態になった、「新たなひきこもり層」の実態にも迫っている。同書が光を当てたひきこもる人の実像を紹介したい。(ジャーナリスト 池上正樹)

1686人の調査に基づく
「ひきこもり白書」の中身とは?

 6月30日、ひきこもる人やその関係者の当事者団体である一般社団法人「ひきこもりUX会議」(以下UX会議)は、1686人を調査しひきこもる人の実像に迫った、日本初の「ひきこもり白書」を出版した。

 この白書は、UX会議が2019年に行った「ひきこもり・生きづらさについての実態調査」に寄せられた1686人の回答を基に、約46万字に上る自由記述の引用も盛り込んで、質的な分析が加えられている。

 正式なタイトルは、『ひきこもり白書2021(1,686人の声から見えたひきこもり・生きづらさの実態)』で、A4版の196ページ(表紙を含む)。関水徹平・立正大学社会福祉学部准教授と、新雅史・流通科学大学商学部専任講師の社会学者2人が監修を務めた。