転職サイト「ビズリーチ」などを運営する巨大スタートアップ、ビジョナル。『突き抜けるまで問い続けろ』では創業後の挫折と奮闘、急成長を描いています。ビジョナル創業者の南壮一郎氏は、ヤフーを傘下に持つZホールディングス社長の川邊健太郎氏とタッグを組み、合併事業会社「スタンバイ」を手掛けています。南氏は、川邊社長の「100年続く会社より、100回変わる会社に」という言葉に大きな影響を受けたそうです。(聞き手は蛯谷敏)

■インタビュー1回目▶「ビズリーチ創業のきっかけをつくった、ヤフー川邊健太郎社長のある勉強会」
■インタビュー2回目▶「ヤフー川邊健太郎社長とビズリーチ創業者の南壮一郎氏がタッグを組んだワケ」

ヤフー川邊健太郎社長「100年続く会社より、100回変わる会社に」Zホールディングス社長の川邊健太郎氏

――南さんは、川邊さんの言う「100年続く会社より、100回変わる会社に」という台詞がとても気に入っていて、折に触れて紹介しています。

川邊健太郎氏(以下、川邊):この言葉は、僕がヤフーの社長に就任した時に、経営理念としてやっていくとして言い始めたんです。

 海外でも、ゼネラル・エレクトリック(GE)が典型だと思いますけど、一つの事業で何百年も続くわけはなくて、どんどん事業を転換したり、組み替えているんです。変わり続けるからこそ、100年、200年と続くんだと思っています。

 企業が100年続くのあくまでも結果であって、そのためには100回は変わるような会社でなければならない。そう考えています。

 その点で、南さんの経営はここまでのところ、それを地で行っているように見えます。

 新事業を立ち上げるのは、相当、経営センスと胆力が必要になります。だから、ビジョナルはやっぱり、普通のスタートアップとは全然スケールが違う。ケタ違いですね。

 未踏の何かにチャレンジしていくという志は、ずっと遊んできた仲間としても応援したいと思っていますよね。

――今やビジョナルは、Zホールディングスグループの一員でもあります。

川邊:そうそう。ですから、グループCEO会議にも出てもらっていますよ。

 それ自体は、グループにとってもいい影響があって、ほかの事業会社の社長と1on1(ワン・オン・ワン)をしたりして、経験を共有してもらっています。南さんは、我々がZホールディングスを立ち上げる時からずっと中に入って見れているわけだから、大規模なホールディングス・カンパニーの経営はこうやるのか、といった観点で学んでくれているとは思います。

――ビジョナルのこれからの課題は何でしょう。

川邊:たくさんあると思いますよ。上場企業になれば社会的責任も生まれてきます。内部統制を強めると官僚的になって大企業病と言われ始めるし。人や制度も含めて、課題はこれからも、たくさん出てくるんじゃないですか。

 でも、それが経営というものです。そして、成長に向けたステップでもある。もちろん、私も聞かれれば支援しますし、南さんにはたくさんの仲間がいるでしょう。

 もっともっと成長すると思いますよ。彼は、そんじょそこらの社長とはちょっと、スケールが違いますから。(談)

 今回、紹介したエピソードのほか、ビジョナルの創業ノンフィクション『突き抜けるまで問い続けろ』では、起業の悩みから急拡大する組織の中で生まれる多様な課題(部門間の軋轢や離職者の急増、組織拡大の壁)を、ビズリーチ創業者たちがどう乗り越えてきたのかが、リアルに描かれています。