転職サイト「ビズリーチ」などを運営する巨大スタートアップ、ビジョナル。『突き抜けるまで問い続けろ』では創業後の挫折と奮闘、急成長を描いています。ビジョナル創業者、南壮一郎氏の経営に大きな影響を与えた人物。それが楽天グループ代表の三木谷浩史氏。三木谷氏は、一体何を教えたのでしょうか。三木谷氏の教えには、これから事業を立ち上げたり、ビジネスで成功するために必要なエッセンスが盛り込まれています。(聞き手は蛯谷敏)
――「解決すべき課題には『大義名分』が必要だ」。ビジョナル創業者の南壮一郎さんは、三木谷さんから、こう学んだと言っています。
三木谷浩史氏:ヨーゼフ・シュンペーターという経済学者は、「アントレプレナーだけが世の中を変える」と言いました。
アントレプレナーの和訳は「起業家」ではなくて「実業家」だと、僕は考えています。つまり、「実業によってしか世の中は変わらない」と彼は言うんです。政治ではなく。
そして実業家は常に、成すべきことは何かをしっかりと考えながらビジネスをやらないと、大きなことは成し得ません。社会に求められているもの、社会をよくすることがやっぱり大切なんです。
もちろん正解は一つではないんだけれど、私流のやり方で言うと、やはり「大義名分」ありきで事業を推進していくのが、自分のスタイルなのかもしれません。
僕はエンジニアではないし、デザイナーでもない。特別な技能もあるわけでもありません。そういう人間にできるのは、大きなプロジェクトをつくり上げていく際に、錦の御旗を立てることなんだと思います。
何でそれをやるの?ということに、仮説を持って取り組んでいく。
やっぱり人間には迷いもあるし、立ち止まるときもある。そういう中で、「自分たちがやりたいことはこれなんだ」と明確にしておくことが必要です。(談)