『独学大全──絶対に「学ぶこと」をあきらめたくない人のための55の技法』が20万部を突破! 本書には東京大学教授の柳川範之氏「著者の知識が圧倒的」独立研究者の山口周氏「この本、とても面白いです」と推薦文を寄せ、ビジネスマンから大学生まで多くの人がSNSで勉強法を公開するなど、話題になっています。
この連載では、著者の読書猿さんが「勉強が続かない」「やる気が出ない」「目標の立て方がわからない」「受験に受かりたい」「英語を学び直したい」……などなど、「具体的な悩み」に回答。今日から役立ち、一生使える方法を紹介していきます。
※質問は、著者の「マシュマロ」宛てにいただいたものを元に、加筆・修正しています。読書猿さんのマシュマロはこちら

プレゼンが「スライドの棒読みになってしまう」悩みへの納得の解決法Photo: Adobe Stock

[質問]
 社会人1年目なのですが、発表が苦手です。学会発表や、社内での報告会、セミナーなど、様々な場面で色々な発表を見たり行ったりしてきましたが、発表の巧さにも段階があるように感じています。

 私の感じた段階としては、

1.用意した原稿やスライドに書かれた字をただ読む段階
2.スライドをメインにして説明する段階
3.スライドを補足資料のようにして、頭の中からすらすら言葉が出る段階

 なんとか3の段階のように、発表できるようになりたいのですが、2の段階から進めないと感じており、どのようなやり方や、トレーニングを行えばいいのか分からず、困っています。おすすめの書籍や、読書猿さんからのアドバイスをいただけませんでしょうか? よろしくお願いします。

トラブルで「スライドが出せない!」想定で発表する

[読書猿の回答]
 スライドなしに発表されるとよいと思います。

 具体的には「発表当日、機器の不具合でスライドが出せない! どうする?」という想定で発表を準備するのです。どうしても伝えなければならないことを選び抜き、口頭だけで伝わるように言葉を磨き、身振りも加え、原稿を見ずに再生できるように練習しておく。

 これができると、全身をつかって物事を伝えられるようになり、加えて聴衆の反応を見る余裕、反応に応じてアドリブを入れる余裕が生まれます。《スライドを使ってもスライドに頼らない》プレゼンができると思います。