ツイッターで「鼻毛出てますよ」、ホリエモン流のクソリプ返しに見える優しさ堀江貴文氏

日本ほど、我慢が美徳とされる国はない。日常生活のあらゆる場面で、仕事やプライベートのすみずみまで大小の「我慢」が当たり前になっていると言っていい。そして、日本の歴史の中で戦時中を除き、最高レベルの我慢を強いられている時代がある。それが「いま」だ。『破戒のススメ: 我慢の奴隷から脱出する44の行動哲学』(堀江貴文著、実務教育出版)から抜粋・一部編集して、令和の日本社会全体に蔓延する「我慢」という名の宗教に抗い、「破戒」して行動につなげる考え方と具体的な方法を伝えていく。

SNSの批判や悪口をスルーするな
黙っていては犯罪に加担するのと変わらない

 冬は北海道のニセコでスノーボードを楽しむ僕は、昨年末にそのときの自撮り写真をSNSにアップした。すると秒速で、「鼻毛出てますよ」というリプが飛んできた。

 40代後半にもなれば、鼻毛が伸びやすくなるのは自然なことだ。鼻毛処理はしているけれど、スノーボードをした後は呼吸が激しくなっている。多少鼻毛が出るのは普通だし、出てたって何も悪いことはない。なのに、それをさも「人としての落ち度」のような言いぶりで指摘してくる人が現れる。自撮り写真を撮る前に、鏡を見て鼻毛よし! とチェックしてからキメ顔で撮るおっさんの方が気持ち悪くないか?

 何もスノーボードのときだけではない。SNSには、たびたび”鼻毛警察”が現れる。とにかく何でもいいから、人のあらを探してツッコミたい。そんな人たちにとって、SNSは手軽な「ツッコミツール」になっているようだ。

クソリプは度が過ぎると厳罰を受ける

 小学生のときにも、「寝ぐせがついてる!」とか「しゃべり方が変!」とか、友だちのあらを探し、ツッコんでは喜ぶうっとうしい男子・女子がいただろう。そのまま大きくなった大人たちが、SNSには大挙して集まっていると感じる。

 スマホで僕の鼻毛が出ていることを確認するには、いちいち写真を拡大表示して、調べなくてはいけない。おっさんの鼻毛を手間ひまかけて見つける、この世で最も非生産的と言えそうな、くだらない作業を熱心にしている人の気持ちって……何?