50万部突破の堀江貴文のベストセラー『ゼロ』が分かりやすいマンガに! その『マンガ版ゼロ』のなかで堀江は、人生において親から自立することがいかに大切かを説いている。
九州の片田舎で生まれた彼は、高校3年生のとき「ここではないどこか」へ飛び立つ決意をし、その手段として東大合格を果たした。親元を離れ上京したときから、堀江のエキサイティングな人生は幕を開けたといえる。
『マンガ版ゼロ』の内容を特別に紹介する連載の第9回では、「自立」についての堀江貴文の考えを紹介する。(連載の過去記事はこちらから)
なぜ、自立することが大切なのか
前回述べたように、「ここ」から脱出することを決心し、勉強に「ハマる」ことで東大合格を実現した僕は東京に行くことになる。
親元を離れ、一度しかやってこない人生の特急列車に飛び乗ることを決心したのだ。この先どんな困難が待ち受けていようと、後ろを振り返るつもりはなかった。
このときの決断こそ、僕の「自立」だったように思う。「親元を離れる」とは、単にひとり暮らしをすることではない。もっと精神的な問題だ。
人は精神的に親から自立して、物理的、そして経済的にも自立したとき、ようやく「自分の頭」で物事を考えられるようになる。
たとえば、あなたが転職するときや引越を考えるとき。ここで「お父さんは反対するだろうな」とか「お母さんは心配するかもな」といった思いがよぎるとしたら、それはまだ「子ども」の意識が抜けず、自立しきっていない証拠だ。自立した大人の関係が築けていれば、そんな心配はしないはずだ。
実際、大学在学中に起業したとき、僕は自分の両親になんの相談もしなかった。起業したこと、自分が会社を経営していることを明かしたのは、たしか起業から2年ほど経ってからのことだ。
こんな僕の生き方を、ドライすぎると批判する人もいる。
しかし、ベタベタ甘えることが親孝行だとは思わない。自分の人生を生きず、親の望む人生を生きることが親孝行だとは思わない。もし親孝行という言葉が存在するのなら、それは、一人前の大人として自立することだ。
年齢や性別に関係なく、自問してほしい。
「あなたはほんとうの意味で親元を離れたと言えるか?」
「しっかりと自分の足で立っているか?」
「なにかを決めるとき、親の顔がチラついていないか?」
「いざとなったら、親に助けてもらえると思っていないか?」
親との関係は、そのまま社会との関係につながっていく。親から自立できていない人は、「自分の頭で考える」習慣づけができていない。当然、会社や組織からも自立することができない。自分ではなにもせず、ただ会社に不平不満をこぼすような人たちだ。
人はみな、誰かの子どもとして生まれる。そして親から自立できたとき、はじめて社会の中でも自立することができるのだ。
(次回に続く。※この記事は、『マンガ版 ゼロ』の内容をもとに作成しました。)
1972年福岡県八女市生まれ。実業家。(株)ライブドア元代表取締役CEO。SNS media&consulting(株)ファウンダー。東京大学在学中の96年にオン・ザ・エッヂ(後のライブドア)を起業。2000年、東証マザーズ上場。04年以降、近鉄バファローズやニッポン放送の買収、衆議院総選挙への立候補などで既得権益と戦う姿が若者から支持を集め時代の寵児に。しかし06年1月に証券取引法違反容疑で逮捕され法廷闘争の末に実刑判決を受ける。11年6月に収監され長野刑務所にて服役。本書の原作『ゼロ』刊行直後の13年11月に刑期を終了し、ふたたび「ゼロ」からの新たなスタートを切った。現在は宇宙ロケット開発、アプリ開発、オンラインサロン運営などで幅広く活躍。