茂木敏充氏自民党幹事長への就任の記者会見をする茂木敏充氏(11月4日) Photo:JIJI

自民党幹事長に茂木敏充前外相が就いた。トランプ前大統領に「タフネゴシエーター」と言わせしめた高い実務能力を持つ一方で、「とにかく怒りっぽい」と毀誉褒貶が激しい。永田町・霞が関では期待と不安が交錯するが、岸田文雄首相の茂木氏起用には、三つの深謀遠慮が透けて見える。(イトモス研究所所長 小倉健一)

茂木敏充前外相の幹事長起用
透けて見える岸田首相の深謀遠慮

 ついに、「あの男」がやってくる――。岸田文雄首相(自民党総裁)は先の総選挙での敗北(比例復活)を受けて辞任した自民党の甘利明前幹事長の後任に、これまで外相を務めてきた茂木敏充氏を選任した。

 頭脳明晰で実務能力が高く「仕事ができる男」と高評価がある一方、部下や同僚に厳しく「いらち(短気)」の異名を持つ茂木氏。毀誉褒貶のある人物の就任に党内外は期待と不安が交錯している。

 岸田氏が白羽の矢を立てた理由の背景を探ると、そこにはドス黒いまでの深謀遠慮も透けて見える。