日本の株式市場が変調を来している。日経平均株価は5月22日の1万5627円から6月13日の1万2445円まで、計20.4%の急落。アベノミクスは不発に終わったのだろうか。

 この間、前日比500円を超す大幅安を記録した日が16営業日中5営業日に及ぶ。しかし、6月14日のメジャーSQを越えたことで、値動きは落ち着き始めるだろう。

 メジャーSQとは3カ月に1度、株価指数先物と同オプションの最終決済が重なる日。急落前の上昇相場において、主役の一つは外国人買い、インデックス買いであった。これらの巻き戻しが一気に生じたわけだが、SQ前後の裁定解消売りで一巡したとみられる。

 日本株を取り巻くファンダメンタルズを見る限り、急落の主因は上昇の速度オーバーに尽きよう。株価上昇が速過ぎただけで、株価水準が高過ぎたわけではないとみている。例えば、現時点で企業業績についてアナリスト予想を集計したところ、3月時点に比べ大幅な上方修正となった。経常利益は2013年度37%増益、14年度13%増益となった(金融を除く主要200社ベース)。14年度には07年度を超え、過去最高益を更新する見通しだ。