富士ゼロックスの母体企業で、世界最大の複写機メーカー米ゼロックス。だが現在、事業の主力は複写機とは無関係のサービス事業だ。

ゼロックスCEO アーシュラ・バーンズ 今後成長の可能性が高いのは“紙”と無関係のサービス事業Photo by Jun Takai

──足元のビジネスの概況は。

 現在、売上高の54%がサービス事業で、プリンタ関連のハード事業は43%程度だ。今期はサービス事業が1桁パーセントの半ばでのプラス成長、ハード事業は同1桁の半ばでの減少予想で、全体で3~4%の売り上げ成長を見込む。

 サービス事業ではビジネスプロセス・アウトソーシング(BPO)事業を中核として育成中だ。

──BPO事業とはどんなものか。

 交通機関の料金収受システム運用やレセプト(診療報酬請求)業務、企業のサポートセンター業務のアウトソーシングなど、多岐にわたる。2009年にこの分野では最大手のAffiliated Computer Services(ACS)を買収したのを機に、急速に拡大してきた。

 ヘルスケア、金融・会計、人事、通信、小売り、交通などの重点産業に絞り、サービスを提供する。“紙”とは関係ない事業も多い。事業の選択の条件は、大量の処理業務が発生し、世界で横展開ができ、一般的に情報を扱い、最終消費者に関係すること。これだけ幅広い分野のBPOを1社で手掛けている企業は当社の他にない。