楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか?「余計な一言」でアンチを生む悪いクセ
大西康之
“余計な一言”の積み重ねが、「三木谷は嫌い」という世間の空気を作っている。三木谷自身もそのことに気づいているが「好感度で経営ができるわけで…
2023.10.6
1953年、イランと旧宗主国のイギリスがイラン産石油の所有権をめぐって対立したとき、石油タンカーの「日章丸」を仕立ててイギリス海軍の海上封鎖を潜り抜け、ガソリンと軽油を日本に持ち帰った出光興産の出光佐三。
1962年、性府の反対を押し切って四輪車の試作に入り、63年に自動車レースの最高峰、フォーミュラー1(F1)に参戦した本田宗一郎。
1978年、「ウォークマン」と商品名を決めるとき、正しく英語で表現するなら「ウォーキング・マン」だとたしなめられても、「ウォークマンはソニー語だ。いつかウェブスター大辞典に掲載される日が来る」と譲らなかったソニーの盛田昭夫。
戦後の復興期から高度経済成長期にかけての日本には、危険を顧みず新たな事業に社運をかける命知らずの「海賊」がいた。
だが会社が立派になり、強烈な個性を持った創業世代が去った後、会社は冒険も挑戦も許されず、昨日と同じ今日を繰り返すだけの退屈な場所になってしまった。ほとんどのサラリーマン経営者は社長になることが目的で、社長になった瞬間に目標を失ってしまう。
だが三木谷浩史は楽天市場で大成功を収めた後も、次から次へと危険な挑戦を繰り返す。現役でこれほど無謀な日本の経営者を筆者は他に知らない。かつてソフトバンクグループの孫正義も「海賊」の匂いを漂わせていたが、事業から手を引きベンチャー投資を本業とする孫は今や海賊に資金を提供する資本家になった。
本書は、飼い慣らされた日本の経営者の中でただ一人異彩を放つ「最後の海賊」三木谷浩史とその仲間たちが繰り広げる、現代の冒険譚である。
大西康之
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