難関校敬遠の傾向が顕著だった2022年でも出願者数を伸ばした武蔵(東京・練馬区)。手書きの入試問題はいまでは貴重

計算式が書けることも採点対象に

 前回取り上げた東京女子御三家(桜蔭、女子学院、雙葉)では、レベルの高い数の性質やていねいに問題文を読み、場合分けをしていけば解ける図形問題などを扱った。今回は、東京男子御三家(開成、麻布、武蔵)+駒場東邦の問題を見ていきたい。

 難関校に関しては、2020年や21年より出願者を減らす学校が多かった。今回の男子4校でも、開成と駒場東邦は2年連続で志願者減だった。麻布は21年より増やしたが、20年には届かなかった。武蔵は例外的に増加している。

 主に小5生の親子を対象として、2月1日夕方に、出題されたばかりの算数問題をその場で解いてみる「わが子が伸びる親の技〈スキル〉研究会」恒例のイベントが行われた。21年入試問題を解説した以前の連載記事(前編後編)も参照していただきたい。

金廣志(キム・カンジ)
悠遊塾主宰。算数オリンピック大会顧問。中学受験塾「武久鴻志会」、四谷大塚市ヶ谷校舎では桜蔭や女子学院コースも指導。4教科を1人で教えるカリスマ講師。

 では、引き続き難関中学志願者のコースの講師を長年務めてきた中学受験界の第一人者である金廣志先生の司会で、まずは開成、次いで手書きの問題用紙が鮮烈な印象を与える武蔵、麻布、そして駒場東邦の順に見ていこう。 

 石田先生はこれから授業ですね。まずは開成から行きましょう。開成の問題は開成の元先生に解いてもらうしかないですよね。やっかいな問題ばかり出しますよね、この学校は。

石田 私が数学科の教員をしていたのはだいぶ昔のことですが、形式などは余り変わっていないようです。例えば下の図1にあるように、2枚ある解答用紙は真っ白なスペースが大きくあって、ちょっとぎょっとしますよね。これって、某東京大学のマネです(笑)。中学入学の段階から、その先につながる力を見据えて先生方はいろいろ考えています。

図1 開成の算数の解答用紙は東大のものを模している
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 解答用紙に書き込まれた解答は、本当に隅々まで見ていました。答えを間違えていると点が付かないと一般には思われがちですが、途中の式などで評価できるところがあればちゃんと評価しようとしていました。ですから、小6になって難関・上位校を目指す場合には、途中の式などもきちんと書き込めるようになってほしいなと思います。

 では、実際の問題を解いていきましょう。