大学付属校の意外な新校長

 浄土真宗本願寺派(西本願寺)の東の拠点は築地本願寺(中央区)で、本部を江東区有明に置く武蔵野大学もその傘下にある。武蔵野大の2つの付属校は、いずれも女子校から共学化した。武蔵野大学(西東京市)は、東京都市大学等々力の初代校長を務めた原田豊氏が新校長となった。前校長の中村好孝氏は龍谷大学系列の岡山龍谷高校の副校長から就任した同派の僧侶だった。原田新校長も得度している。

 女子学院(千代田区)のはす向かいにあった千代田学園は武蔵野大学と法人統合し、武蔵野大学附属千代田高等学院と千代田国際中学校とに再編された。新校長に就任した木村健太氏はラガーマンで、医進サイエンスコースの責任者を務めた広尾学園の理科(生物)の名物教員だった。なお、25年から校名を中高共に「千代田」に変更する。“国際”を外す最初の例となるかもしれない。同校の共学化を進めた前校長の日野田直彦氏は、新しい教育を推進する活育財団の共同代表となった。同財団には、軽井沢にあるインターナショナルスクール(ISAK)のメンバーも名前を連ねている。

 7年前に共学化した元女子校の文化学園大学杉並(杉並区)は、ダブルディプロマ(DD)コースをつくり、同校の国際化を担ってきた副校長の青井静男氏が昇格した。ホテル、飲食、旅行といった民間企業勤務経験もある異色の経歴の教員でもある。

 専任教員が男子で固められてきた“男臭い”東京都市大学付属に35年間勤務し、副校長兼教頭まで務めた草間雅行氏が、同じ学校法人五島育英会の元女子校(東横学園)である東京都市大学等々力(世田谷区)の校長に就いた。ご本人も驚いていることだろう。

 世田谷区ではもう一校、国士舘では副校長の渡邊隆氏が昇格した。硬式野球部部長として、春のセンバツ出場経験もある。前校長の岩渕公一氏は、柔道八段の猛者だった。

 日本大学第一(墨田区)の新校長に、日本大学理工学部精密機械工学科教授で同学部長も務めた青木義男氏が就任した。

 文教大学付属(品川区)は、中学校長に社会科(地理)教員の神戸航氏が副校長から昇格している。文教大と同じく小中校教員を輩出する明星大と同じ系列の明星(府中市)では、副校長の水野次郎氏が校長に昇格した。前任の福本眞也氏は母校である県立熊本高校の針路指導部長を長く務め、副校長からベネッセコーポレーション取締役を経ての就任だったが、水野氏もベネッセの出身である。『こどもちゃれんじ』初代編集長にして「しまじろう」生みの親でもある。公募された民間人校長として、千葉県立柏井高校や同松戸国際高校の校長などを歴任している。

 大学の系列校以外では、この4月から男子部と女子部が統合して共学化した自由学園(東久留米市)。旧男子部校舎の中等部部長には理科・産業(技術家庭)教員の山縣基氏が、旧女子部校舎の高等部部長・学園長には男子部と女子部の部長を歴任してきた更科幸一氏がそれぞれ就任した。

 自閉症児の受け入れに積極的で、健常児との混合教育に特色がある武蔵野東中学校(武蔵野市)では、教頭の林武宏氏が昇格している。