その姿を見かけたら、一日中ハッピーに過ごせると評判の「幸運のリス」も構内に

森田祐二(もりた・ゆうじ)
関東学院中学校高等学校校長

 

1963年生まれ。愛知大学文学部英文学科卒業。名古屋学院中学校・名古屋学院高等学校(現 名古屋中学校・高等学校)に英語科専任教員として奉職。2006年同校進路指導部長、07年高校教頭、14年中学教頭、17年中高校長にそれぞれ就任し、20年学監も兼務。21年4月から現職。

 

 

前任校とよく似た雰囲気の関東学院

――2022年入試の志願者数が急増したことには驚きました。2月1日午前の入試(一期A)の実倍率が前年の2.2倍から3.6倍に急騰したのも、あまり見かけない事態です。

森田 中学入試全日程の志願者数合計は22年に1954人となりました(図1参照)。21年より3割以上増え、16年の2倍です。 

――そうなった理由を今回は主にうかがいたいと思います。ところで、森田校長が21年4月から本校に赴任したのは、どのようなご縁からでしたか。

森田 ご縁といいますか神様のお導きで(笑)、「横浜に出て来ないか」とお声掛けいただき、初めて首都圏にやって参りました。それまでは新卒で奉職して以来、ずっと名古屋の男子中高一貫校におりました。名古屋市内の男子校は、私のいた名古屋中学校・高等学校、東海中学校・高等学校、南山中学校・南山高等学校男子部の3校だけです。

――学校法人としても、クリスチャンの校長をつなぎたいという思いがあったようですね。

森田 私自身、曾祖父、祖父、叔父が牧師というクリスチャンホームの中で育ちました。いまは教鞭(きょうべん)を執ってはいませんが、ずっと男子校でしたので、校内に女子がいると、少し違和感はあります(笑)。

――関東学院の中高というと、昔から良家の子女というイメージです。男子校から共学校に移ったわけですが、二つの学校を比べてみていかがですか。

森田 雰囲気がよく似ているなと思いました。本校も伊勢佐木町や元町、中華街などでご商売をされているご家庭が多いのですが、名古屋もそういうご家庭の子弟が多くいました。

 別の学校法人になっていましたが、私が奉職した頃は名古屋学院大学に進学する生徒がメインでした。ところが、20年ほど前から徐々に国公立上位大への志向が強まっていき、学校としても進路指導をしっかりすることに。240人の卒業生のうち、いまでは東大や京大など旧帝国大の20~30人を含め、国立大に150人ほどが進むようになっています。

――こちらの学校も系列の関東学院大に進む生徒は1割程度まで減っているようですね。どちらもキリスト教主義の学校ですから、学校行事などは似ていますか。

森田 よく似ていますね。毎朝の礼拝、食前感謝の祈り、聖書の授業、ホームルームなどでの祈りのとき、アーメン(その通りです、という意味)と声に出すなど、キリスト教の雰囲気がしています。

――名古屋から横浜に来て、一番感じた違いは何でしょう。

森田 構内に駐車場がないので、初めて電車通勤をしています。名古屋の学校には100台分の駐車スペースがありました。こちらでは月に2万、3万円と自腹を切って学校近くに駐車場を借りている先生もいらっしゃいますが、名古屋だったら暴動が起きていますよ(笑)。

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