バイリンガルの先生が何人いるか、提携校が何校あるか、海外プログラムの内容は何か。データのみに反応し、学校をスペックだけで選ぼうとする傾向が強い親が主導して進路を決めようとするのは、避けたほうがいいでしょう。

 スペックが輝いて見えるのは、親自身の才能タイプ(※)がそう感じさせているだけです。その学校で生活するのは子ども本人であり、親のフィルターを通して選んだ学校が、子どもにとって良い居場所になるとは限りません。

(編集部注)小川大介氏の「才能タイプ」理論とは、子どもの特性を統計的に90のタイプに分類したもの。40個の質問から10種類の「学び方の傾向」と9種類の「行動の傾向」に分けて、90パターンの才能発揮のスタイルを導き出す。親がその子の「得意な認知ルート」を理解し、それに合った学習方法や声かけを選ぶことで、無理なく才能を引き出すことを目的としている。

夫婦の「教育観のすり合わせ」こそが
すべての出発点

 家庭内で学校選びをうまく進めるためには、まず夫婦の教育観のすり合わせが必要です。

 夫婦でそれぞれの出身中学・高校について話し合ってみてください。どんなところが好きだったか、どんなところが嫌だったか。その作業によって、自分が学校に対してどんなイメージを持っているかが見えてきます。

 自分が学校生活で得てきたことを「他の学校にも当然ある」と思い込んでいたり、当時不満だったことへのトラウマが今の判断を歪めていたりすることは珍しくありません。

 配偶者の「自分は中学受験をしてよかったと思う」という言葉を聞いて、「公立育ちの自分を否定されている」と感じてしまう方もいます。

 学校選びは、夫婦それぞれが歩んできた人生を紹介し合うような側面を持っています。まずは自身の価値観を客観視し、お互いの経験を理解し合ったうえで子どもの話に入ることが大切です。

 そこまでできた夫婦は、学校選びで子どもに一方的な願望を押し付けることが起こりにくく、結果として入学後のミスマッチも減っていきます。

偏差値60の優等生でも「自由な校風」で成績下降…
「入学後」を想像する重要性

 よくあるミスマッチのパターンがあります。

 中学受験の過程では、親も塾もマイクロマネジメントの連続です。親と塾とが足並みをそろえて宿題の範囲を指定し、提出期限と進捗を管理したうえで、テストなどを積み重ねることで作られてきたものがわが子の偏差値です。その流れで「合格できる学校の中から、自由な校風の学校を選んだ」とします。

 しかし、徹底した管理のもとでやっと維持していた偏差値60は、自由な校風の学校に入ると50に下がってしまうかもしれません。これまで「自分から行動する力」を育てられてこなかった子が、急に「自由にしていいよ」と言われても戸惑うばかりです。