2011.5.12 摩天楼 上海に渡った幸一は、三栄木材の顧問・伊藤隆嗣のことが気に懸る。中国コネクションを持つ隆嗣に、謎のフィクサーのイメージを重ねていたが、目の前に現れた隆嗣の姿に幸一は驚きを隠せなかった――。
2011.5.11 会社の事情 半年ぶりに名古屋の三栄木材本社を訪れた幸一は、岩本社長からマレーシア材の販売高が年々減少していることを指摘される。解雇宣告を受けるものだと腹を括ったが、社長から言われたのは意外な言葉だった――。
2011.5.10 外灘 集団デートに参加した男子学生の祝平は、経済開放によって共産主義から資本主義へ転換しつつあるという。祝平がいう「共産という名の皇帝」に引っ掛かりを感じる隆嗣。それは、かつて立芳が口にしたセリフだった――。
2011.5.9 蠢動 悪友ジェイスンにそそのかされて、立芳の友達と集団デートをすることになった。隆嗣たち男子留学生5人は期待を胸に待ち合わせ場所へ行くと、女学生に交じって、なぜか一人男子学生がいた――。
2011.4.27 接待 三栄木材社長の岩本は、新規取引を狙って、東洋ハウスの担当者を大連にある高級海鮮料理レストランに招いた。中国語を話せない岩本をサポートしていたのは、上海に留学してから18年後の隆嗣であった――。
2011.4.26 転機 検品を終えた幸一がホテルに戻ると、知らない電話番号からの着信があった。電話の主は、日本の三栄木材社長。「ちょっと話があるんだが……」という社長の声に、幸一は悪い予感を感じた――。
2011.4.25 南洋の風 シンガポールで教育を受けた山中幸一は三栄木材のマレーシア駐在嘱託社員として働く。検品のため現地の工場を訪れた幸一を待っていたのは、ハードネゴシエイターのミスター・リムだった――。
2011.4.21 異郷の宴 <城山三郎経済小説大賞 話題の最終候補作 連載開始!>1978年、バブル景気に踊る日本の生活に馴染めなかった隆嗣は、逃げるような思いで、上海の大学へ留学する。悪友ジェイスンに誘われて参加したクリスマスパーティーで出会ったのは、辛辣に中…