中高一貫写真はイメージです Photo:PIXTA

前編に続いて、今注目の私立中高一貫校の「共学校」を紹介する。データサイエンス教育に力を入れるなど革新的な教育を実践する学校や、次年度から進学の選択肢が増える学校など、ひそかに魅力度を増している注目校をチェックしてみよう。(進学塾VAMOS代表 富永雄輔、構成/ライター 奥田由意)

成蹊中学・高等学校
大学付属校としてワンキャンパスの強みあり

 吉祥寺にある成蹊は、小中高大がワンキャンパスに集まる数少ない学校の一つです。都心にありながら広大なキャンパスを持ち、イチョウ並木に象徴される「学園」の雰囲気を体現しています。これは青山学院や立教、慶應などでさえ実現できていない、貴重な環境です。

 最近、セーラー服のイメージが強かった制服を改革してポロシャツを認めるなど、伝統ある学校でありながらも時代に応じた変化を遂げています。

 成蹊の特徴は、進学コースを設けていない点です。内部進学率は約3割で、7割が外部受験をしますが、全員が同じクラスで学びます。隣の子は内部進学、その隣は早慶受験、さらにその隣は医学部受験というように、多様な進路を目指す生徒が共存しています。これも一つの多様性であり、さまざまな価値観に触れながら成長できる環境といえるでしょう。

 施設の充実度は申し分ありません。ラグビー部、サッカー部、野球部、バスケ部など、選べる部活の数も豊富。ワンキャンパスの強みで、やりたいことを多くの選択肢から選べるのは大きな魅力です。

 中学高校の授業では、しっかりと課題やカリキュラムが組まれています。特に、数学は長期休暇中もしっかりと宿題が出て、良い意味でさぼることができません。