2011.6.7 駆け引き 学生の隆嗣に通訳をお願いした岩本だったが、内心では「今までの交渉が御破算になるのでは」とびくびくしていた。「結果は明日出ますよ」という隆嗣の目はどこか別のところに向いていた――。
2011.6.1 過去 民主化運動時代の旧友、李傑は、共産党委員会の常務委員になっていた。立芳が消えた1989年6月について問い詰める隆嗣。李傑は「君は、何も知らないのか?」と当時の様子を話し出した――。
2011.5.31 邂逅 南京林業大学の高英麗教授に誘われて参加した木材フォーラムで、隆嗣は留学時代の旧友、李傑と再会した。隆嗣と李傑の再会を知らされた「クラブかおり」のママ迎春は動揺を隠せなかった――。
2011.5.30 別離 日本の大学で4年次に復学して就職活動をする隆嗣のために、ジェイスンたちが送別会を開いてくれた。翌日、空港まで見送りに来た立芳は、隆嗣との別れを前に、流れる涙をそのままに手を振り続けた――。
2011.5.27 暗転 値上げまでの猶予期間を半年は欲しい三栄木材だったが、清義は4ヶ月分までと譲らない。隆嗣は突然、昔話を始めた。苦労話に花が咲く二人だが、「アレクセーエフ」の名前を聞いて清義は半年の延長に同意した――。
2011.5.26 談判 ロシアの輸出関税引き上げを受け、大連瑞豊木業有限公司は三栄木材に対して突如1割以上の値上を要求してきた。なんとか値上げを押さえたい岩本社長だったが、成す術はなかった。そのとき、隆嗣はある点を指摘した――。
2011.5.25 中秋の月 中秋節を前に、レストランでは「月餅」をサービスで配っていた。「一人じゃ食べきれないわ。あなたも手伝って」慶子は幸一を自分の家へ誘った。慶子の独白が胸に刺さった幸一は、日本から逃げ出した理由を告白した――。
2011.5.24 饒舌 幸一と慶子は電話とメールで連絡を取り合うようになり、幸一は中国ビジネスのよき相談相手になっていた。大連視察のお礼として幸一を食事に誘った慶子は「私なんかどうでもいいの」と投げやりな声を上げた――。
2011.5.21 熱情 民主化運動学生グループの集会に参加するようになった隆嗣は、各大学のリーダーたちとも知り合うようになる。民主化についての議論が白熱する中、「日本人である君の意見を聞きたい」と、隆嗣は突然の指名を受けた――。
2011.5.20 施し 隆嗣の経営する「クラブかおり」に案内される幸一と慶子。店に向かう途中、仕事にあぶれた10代半ばの姉弟から「帰るお金もない」と声をかけられる。100元札を2枚を渡した幸一に、隆嗣は厳しい一言を浴びせた――。
2011.5.19 暗黙 隆嗣が岩本会長に接する態度は、岩本社長に対するものとは明らかに違うものだった。岩本会長もまた隆嗣に対して、幸一には見せない親しさを示した。そんな二人の関係を幸一は不思議な目で見ていた――。
2011.5.18 微熱 丸太工場で出会った女性、川崎慶子から、幸一と岩本会長はお詫びのしるしに夕食に誘われる。「川崎装飾貿易有限公司総経理」の名刺を差し出した慶子は、大手ディベロッパー川崎産業の社長令嬢だった――。
2011.5.17 機縁 三栄木材の岩本会長が大連にやってきた。出張目的は、知り合いの業者のために、桐のサプライヤーを見つけるというもの。幸一とともに会長自らが検品作業をしていると、日本人女性が怒鳴り込んできた――。
2011.5.13 不夜城 隆嗣の経営するナイトクラブ「かおり」で、幸一はクラブのママ、迎春を紹介される。岩本社長にすすめられ仕方なくカラオケのマイクを握った幸一に対して、隆嗣は異様な視線を向けていた――。