遠山周平
男のVゾーンのハイエンドにして永遠の形は、白シャツに紺のネクタイだ。白シャツと紺のネクタイだけで、無限といっていいほどに楽しめる上品で清潔感のある春夏の装いとは。

秋冬のスーツを新調する前のエクゼクティブに代わって、ブルックスブラザーズ青山本店で、世界のどこでも通用するビジネススーツのスタンダードがどんなものかを検証する作業を試みた。



各国の首脳が会するサミットの写真を見ると、誰もがダークスーツに白シャツとネクタイ。おもしろいことにポケットチーフを胸にさしている人はいない。

30年ほど愛用した英国アトキンソン社のアイリッシュポプリンタイがかなりヨレてきたので西新橋1丁目交差点にある『New!』へ新調しに来た。

蝶屋シャツの遠州ヴィンテージクロスに待望の新作が追加されると言う。白地にブルーのロンドンストライプやギンガムチェックなどベーシックな柄モノばかりを7種厳選(商品名はSANSHIRO)。店頭に並ぶのは4月から。一見の価値はありそうだ。

ワインレーベル フォー シップスで購入したサウスウィックのスーツはダークブルーである。1990年代から最近まで、ビジネススーツはグレーが主流だった。しかしなぜか今、筆者の目にはダークブルーが新鮮に映り、ひと目ぼれでこれを選択したわけである。

ビジネススーツは約3年ごとに買い替えるのがエシカルなスタイルだ。3年間は同じ服を着続けるわけだから、流行に対して免疫を保ち、しかも飽きのこないスーツを選ばねばならない。いい替えれば、流行に過敏なデザイナーズスーツを選ぶより、伝統的スタイルで通すのがお勧めである。

いささか旧聞に属するが、この夏の初め池袋西武屋上ビアガーデンにおいて『TAKE 8 IVY』(万来舎)の出版記念パーティが開催された。日本のアイビー、トラッド、クラシックの服飾関係者が新旧一堂に会し和やかな時間を過ごした。筆者のお隣では偶然、穂積和夫先生(画家、イラストレーター)と白井俊夫さん(横浜信濃屋)が初顔合わせする事態に。

たくさんのモノを持つことが必ずしも幸せにつながらない・・・自分にとってほんとうに必要なモノは何かを問い直してみたい。
