俳優・市毛良枝さん 撮影/フカヤマノリユキ スタイリング/金野春奈(foo) ヘア&メイク/長縄希穂(マービィ)
50代、もっと早い人は40代頃から、「親の介護」という問題に直面することになる。日々の仕事と親の介護をどう両立すればいいのか。施設に入れるべきなのか。自宅介護すべきなのか……俳優・市毛良枝さんの新刊『百歳の景色見たいと母は言い』(小学館)は、忙しい俳優業を続けながら、車椅子の母と一緒に旅行しつつ、度重なるアクシデントを乗り越えた日々を綴った本だ。「介護は気付けば始まっていた」という市毛さん。介護体制の整え方や、高齢の親と旅をするコツについて伺った前編に続き、インタビュー後半となる本記事では、仕事と介護をどう両立させていくか、より詳しく聞いていく。(構成/前川亜紀)
介護生活は調整・コミュニケーションの嵐。「遠慮しない」が大事
――インタビュー前半では、介護にあたり、多くの人に助けを求め、人を巻き込んだという話を伺いました。周りの方の協力もあったからこそ、介護と仕事が両立できたのだと思いますが、それでも調整することが多く、大変ですよね。デイサービスやショートステイ、介護保険範囲内のヘルパーさんなど、どのようにスケジュールを組んでいたのでしょうか。
まさにパズルを作るような感覚でした。90代前半までは、母を家に一人にすることができましたが、90代半ばになると、一人でトイレや食事をすることに危険が伴うようになり、常に誰かのサポートが必要になるのです。ただそばにいてくれる人が欲しいと思いました。







