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愛宕伸康
深刻なコロナ禍を受け、日銀は先の金融政策決定会合で新たな対策を示した。黒田総裁は「できることは何でもやる」と強調し、市場にもそれを当然と見る空気がある。しかし、日銀が「何でもやろうとすること」はどこまで妥当なのか。この機にあえて課題を指摘したい。

3月から5月にかけて、日本経済はすでに景気後退に陥っているのではないかと大騒ぎになった。にもかかわらず、政府や日本銀行は「緩やかな景気拡大」という基本認識を変えず、いつの間にか市場の景気後退懸念も沈静化しつつある。あの喧騒はいったい何だったのか。

6月11日に発表された「骨太の方針」の原案に、消費税率の8%から10%への引き上げが明記された。よほどのことがない限り、政府は増税を実施する方向だ。現段階で1つ言えるのは、世界景気が鈍化し米中貿易戦争がエスカレートする中で、消費増税を予定通り行った場合のリスクと増税を延期した場合のリスクを、冷静に比較考量する必要があるということだ。
