2024.10.16 石破政権は「物価上昇を上回る賃金上昇」実現できるか、岸田路線を継承する本当の意味 石破茂首相は、岸田前政権の「デフレ脱却」の路線を継承し実質賃金引き上げを目指すことを掲げたが、そのためには労働生産性を引き上げることが王道だ。実質賃金と生産性、物価には連動が見られ、生産性向上がないと結局、日本経済は変わらない。
2024.8.21 日銀の「政策反応関数」のブレが招いた市場乱高下、次の利上げを決める変数は何か 7月利上げを機にした為替や株式市場の乱高下は、日銀と市場のコミュニケーションの混乱、とりわけ日銀がどういう経済情報に着目し政策運営を判断するのかの情報発信がブレたことが大きな原因だ。このことは、次の利上げのタイミングを予想する上で…
2024.8.8 日銀国債買い入れ減額の不透明な将来、2050年の長期金利「4%弱~6%台」? 日本銀行の国債買い入れ減額計画を基に独自試算をすると、日銀の保有国債残高は2050年に今の約半分の240兆円になる見通しで、民間の国債買い入れ余力を想定しても長期金利は4%弱から6%台半ばに上昇する。金利安定のためには財政規律維持とともに…
2024.6.19 日銀「追加利上げ」9月が有力、正常化シナリオ“26年に政策金利1%”想定は不透明 国債買い入れ減額を決めた日本銀行の金融政策正常化の次のステップとして注目される「追加利上げ」は実体経済の状況を考えると9月が本命だ。日銀は2026年まで2年をかけて政策金利を1%まで引き上げることを想定しているようだが、2%物価目標実現を…
2024.2.13 日銀は利上げ「1%で赤字、2.5%で債務超過」だがそれより深刻な本質問題 利上げによる日銀の財務構造への影響を試算すると、1%利上げで単年度赤字になり2.5%利上げで債務超過になる。それで政策運営能力を損ねることはないが、本質問題は、日銀が赤字対応で経費節減を迫られ、本来必要な利上げを躊躇(ちゅうちょ)しイ…
2022.3.4 ウクライナ危機で日銀にまた難題、金融政策“日米格差”はなぜ生まれるか 日米の金融政策の格差の背景にはインフレ率の差があり、80年代以降、2%程度の乖離が常態化している。これは生産性や賃金など経済構造に起因しており、日銀がFRBと同じ物価目標を掲げるのには無理がある。
2021.6.30 不気味な米長期金利低迷、FRB「高圧経済」政策の壮大な実験 6月FOMCを機に早期利上げ観測が強まるが、長期金利は低下し潜在成長力の下振れを示唆する。FRBは「高圧経済」政策で潜在成長力引き上げを狙っているが、壮大な政策実験だ。
2020.6.22 マネー膨張が示唆する、ポスト・コロナの「資産バブル」リスク 日銀が続ける新型コロナ特別オペによって、金融機関の貸出が顕著に増え、市場でマネーが膨張している。今の日本には、経済活動に見合わない過剰なマネーが流通しているのはないか。マーシャルのkを使って、ポスト・コロナ時代の資産バブルのリスク…
2020.5.2 日銀の新型コロナ対策、「できることは何でもやる」に潜む落とし穴 深刻なコロナ禍を受け、日銀は先の金融政策決定会合で新たな対策を示した。黒田総裁は「できることは何でもやる」と強調し、市場にもそれを当然と見る空気がある。しかし、日銀が「何でもやろうとすること」はどこまで妥当なのか。この機にあえて課…
2019.8.7 あれだけ大騒ぎされた「景気後退」が、実は訪れていないことの証明 3月から5月にかけて、日本経済はすでに景気後退に陥っているのではないかと大騒ぎになった。にもかかわらず、政府や日本銀行は「緩やかな景気拡大」という基本認識を変えず、いつの間にか市場の景気後退懸念も沈静化しつつある。あの喧騒はいったい…
2019.6.24 消費増税を予定通り行うリスクと延期するリスクは、どちらが深刻か 6月11日に発表された「骨太の方針」の原案に、消費税率の8%から10%への引き上げが明記された。よほどのことがない限り、政府は増税を実施する方向だ。現段階で1つ言えるのは、世界景気が鈍化し米中貿易戦争がエスカレートする中で、消費増税を予定…