日本の昭和シティポップが「海外Z世代」に人気のなぜ、竹内まりや・松原みき…1970~80年代のシティポップが人気再燃。リバイバルを語る上で欠かせない代表例が、竹内まりやさんの『プラスティック・ラヴ』だ Photo:JIJI

松原みきのデビュー曲「真夜中のドア~Stay With Me」(1979年)がYouTubeで合計1億回以上再生され、Spotifyのグローバルバイラルチャートで1位を獲得したり、竹内まりや「プラスティック・ラヴ」(1984年)がYouTubeで5000万回以上再生され、人気を受けて2019年にミュージックビデオが制作されたりと、1970~80年代のシティポップが人気再燃、改めて評価されるという不思議な現象が起こっている。これらの曲を聴いているのは発売当時のファンではなく、主に海外の、しかも現在10~20代の「Z世代」の若者たちだ。実はシティポップだけではなく、アニメやファッションなどさまざまな「ジャパニーズカルチャー」がZ世代に支持され、Instagram、Twitter、YouTube、TikTokなどネットで広がっている。なぜこのような流れが起きたのだろうか。(アステル NordOst〈松島広人〉)

1979年発売、松原みきのデビュー曲がYouTubeで大ヒット

 ここ数年、「シティポップ」という言葉を目にする機会が急増している。たとえば1979年にリリースされた松原みきの楽曲「真夜中のドア~Stay With Me」は、40年以上の月日がたった今、イラスト付きのリリックビデオがYouTubeで新たに公開され、たとえば下の動画だけでも1400万回以上の再生数を集めている。コメントはほとんどが英語で、聴いているのは海外の人たちであることが分かる。

 シティポップとは1970~80年代の日本においてソウル、ファンク、R&B、ディスコ、AOR等の洋楽ジャンルと日本特有の歌謡曲文化が結びつき、独自の発展を遂げていった音楽ジャンルと定義できる。2010年代以降海外で再評価され、今日では日本においてもサブカルチャーの一端を担うカテゴリとして再び注目されている。

 なぜ、このようなドメスティックな文化が再発見されるに至ったのだろうか。