ふじきみつ彦さん 写真提供:NHK
朝ドラこと連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK)の脚本に抜擢されたふじきみつ彦さん。これまでEテレで子ども向け番組や人気ドラマを手がけてきた人気作家だが、子育てをしながら書いているという。むしろ、子育てと両立することのメリットもあるそうだ。全国の子育てやワーク・ライフ・バランスに悩む人たちにも興味深いお話を聞いた。(聞き手・構成/ライター 木俣 冬)
早朝仕事してから子どもを保育園へ…家庭優先がモットー
ふじきみつ彦さんは、これまでNHKの幼児教育番組『みいつけた!』やよるドラ『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』、映画化もされた俳優が本人役で出演する異色ドラマ『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』などを手掛けてきた。
会話劇が得意で、部屋のなかという限られたワンシチュエーションでも会話のおもしろさだけで保たすことができるホームドラマには最適な作家だ。人気作家とはいえ、朝ドラという国民的ドラマの脚本はさぞや大変だろう。
「最初、朝ドラのお話をいただいたときは、いやあ、これは大変だなと思いました。大変だと思ったひとつは脚本の分量。僕が今まで書いた最大の本数は15分✕32回で、朝ドラの15分✕125回は途方もない分量です。量に関しては、書き始めさえすれば体力的にはなんとかなると思うのですが、125回分の先を見通して書くにあたって、その“先”があまりに遠くて、道筋を考えることに時間がかかりますね」
ふじきさんの日々の仕事の仕方は、朝4時頃に起床。6時ぐらいまで脚本を執筆。8時過ぎに子どもを保育園に預けに行く。9時から再び書き始め5時半ぐらいまで書いたら保育園に迎えに行く。そこから、子どもが寝る9時半くらいまでお父さんの時間。子どもを寝かせて朝4時まで寝る。
「脚本が間に合わないときは2時起きのこともありますが、基本的にそのペースを守ってやっています。『ばけばけの』脚本打ち合わせは大阪局であるのですが、基本的に日帰りにさせていただいていて、家庭優先になっているところがちょっと申し訳ないなと思いながら書いています」







