
藤本敦也
未来視点の「無理強い」から解き放つSF思考の力とは LIXILの未来共創計画
誰も見たことのない未来から「豊かな暮らし」を探求しよう──。住宅設備大手のLIXIL(リクシル)が、「SFプロトタイピング」を活用したユニークな未来共創プロジェクトに取り組んでいる。2023年2月に、家が生き物のように代謝する未来を描写したSF小説2篇を発表。「未来共創計画──FUTURE LIFE CREATIVE AWARD」と銘打って、作品からインスパイアされたアイデアを形式不問で公募し、優秀作を形にしようというのだ。一連のプロジェクトを主導した同社の羽賀豊氏と浅野靖司氏、プロジェクトパートナーとして協働したアノンのアートディレクター・青山新氏の3人に、その狙いや手応えを聞いた。

SF思考で共創する、手触りのある未来――農林水産省フードテック官民協議会「2050年の食卓の姿」ビジョン作りの事例から
2022年3月、農林水産省のウェブサイトで4篇のSF小説が発表された。オートシェフAI、フードパッチ、宅地栽培士……といった耳慣れない言葉が飛び交うこれらの小説は、官民連携コミュニティ「フードテック官民協議会」の2050年の食卓の姿ワーキングチームが、SF思考で「2050年の食卓の姿」を描いたものだ。『SF思考 ビジネスと自分の未来を考えるスキル』の共著者であり、本プロジェクトでSFプロトタイピング統括を務めた藤本敦也氏が、プロジェクトリーダーの葦津紗恵氏(三菱総合研究所)、事務局の高梨雄貴氏(農林水産省)、参加者の中島美樹氏(ポッカサッポロフード&ビバレッジ)に、SF思考でビジョンを共創する魅力を聞いた。

あらゆる境界を越えていく!早川書房編集者・一ノ瀬翔太が実践するSF思考
『SFプロトタイピング』で、SFをビジネスに接続する手法を世に問い、世界の名だたる起業家に影響を与えたニール・スティーヴンスンのサイバーパンクSF『スノウ・クラッシュ』を復刊させて大ヒット。数々の話題書を手掛ける早川書房の編集者・一ノ瀬翔太氏は、SF思考をナチュラルに実践していた! 『SF思考』編著者の藤本敦也氏が、独自の越境的思考について聞いた。

SF思考で描いた未来が、起業家をエンパワーする
ビジネスや人生の「ありたい未来」を、今と非連続な「SF」として妄想し、そこからバックキャスティング(逆算)して、「今」を変えていく──。今「SF思考」がじわじわとビジネスシーンに広がっている。本連載では、『SF思考 ビジネスと自分の未来を考えるスキル』の共著者であり、自らファシリテーターとして多くのSF思考ワークショップを開催してきた三菱総合研究所シニアプロデューサーの藤本敦也氏に、SF思考の実践事例を通じて、具体的な効果を考察してもらう。第1回では、国立研究開発法人産業技術総合研究所で、2021年に実施された事業創造プロジェクトを紹介する。
