牛田遼介
本連載では、分散型金融のもたらすイノベーションの可能性とリスクについて、当局者としての視点も織り交ぜながらリレー解説を行ってきた。最終回では、DeFiの特性や規制上の論点、マルチステークホルダーの必要性に関する議論を振り返りつつ、分散型金融システムの持続的発展に向けた考察を行う。

前回、「DeFiが本当にDecentralized(分散型)なのか」との視点を取り上げた。今回はここに焦点を絞り、DeFiの具体的な事例を挙げつつ、「トラストレス」とも称される分散型金融システムに存在する「トラストポイント(中央集権的側面)」について分析したい。

本連載では、分散型金融のもたらすイノベーションの可能性とリスクについて、当局者の視点も織り交ぜつつ、極力平易に解説することを目的とする。第1回では、分散型金融を理解するため、「分散」の意味について考察を含めて解説する。
