鬼頭勇大
1970年に発売された「ジャポニカ学習帳」を知らない人はいないだろう。表紙に掲載された色鮮やかな写真が魅力で、小学生の「勉強のお供」として長年愛され続けてきた。現在までの累計販売実績は約14億冊に上る。そんなジャポニカ学習帳だが、実は発売当初はあまり売れなかったそうだ。苦境下で繰り出した“大バクチ”がヒットにつながったというが、一体どんな奇策を打ったのか。ショウワノートホールディングスの片岸茂会長に聞いた。

「靴下の岡本」が販売している「まるでこたつソックス」をご存じだろうか。その名の通り「冷え解消」の効果があり、履くと足が温まるアイテムだ。そして何を隠そう、2015~20年の6年間で「累計70万足」を売り上げた大ヒット商品である。その後も好調が続いており、岡本は製造ラインへの設備投資を加速させている。1足1800円と高価にもかかわらず、暖冬の時期でも売れ続ける理由は何なのか。背景にある“2つの要因”に迫る。

江崎グリコが手掛ける「カフェオーレ」は、2024年に「発売から45周年」という節目を迎えるロングセラーだ。この飲料の特徴といえば、甘くて飲みやすい風味はもちろん、他社製品にはない特殊なパッケージである。なぜ一般的な紙パックとは異なり、独特な「台形」(正確には円錐台=えんすいだい)になっているのか。江崎グリコのマーケティング担当者を直撃取材したところ、納得の理由が見えてきた――。

葉巻をモチーフにした洋菓子「シガール」は、ビジネスシーンでの手土産の定番だ。製造元の老舗洋菓子メーカー・ヨックモックはこれまで、百貨店などを中心に出店してきた。「デパ地下」などでシガールが売られているのもおなじみの光景だといえる。そんな同社は新しい販売方法を模索し、23年に「お菓子の自販機」をスタート。この10月には東京・六本木に2号機を設置した。なぜ百貨店を飛び出し、自販機でお菓子を売ろうと考えたのか。老舗による「意外な決断」の裏事情に迫る。
