フォロー
三牧聖子
「トランプが去っても、アメリカは元に戻らない」三牧聖子氏が指摘する超大国の厳しい現実
「アメリカ第一主義」を掲げ、戦争を終わらせると約束したトランプ大統領。しかし、自らイランへの軍事攻撃に踏み切り、アメリカの国力をさらに弱める結果を招いた。だが、問題はトランプ氏だけではない。トランプ氏が去っても、アメリカはかつての超大国には戻れないという。国際政治学者で、『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からのアメリカ史』に推薦コメントを寄せた三牧聖子氏に聞いた

「自由と平等の国」はどこへ? わずか10%の世帯が「国の富の7割」を握るアメリカの衝撃的な実態
「自由と平等の国」を掲げてきたアメリカで、いま深刻な格差が広がっている。資産上位10%の世帯が国全体の富の約7割を握り、イーロン・マスク氏のような超富裕層が政治にも巨額のお金を投じる。一方、生活苦にあえぐ庶民の不満は高まり、資本主義の象徴ともいえるニューヨークでは、民主社会主義を掲げる市長が誕生した。いったいアメリカで何が起きているのか。国際政治学者で、『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からのアメリカ史』に推薦コメントを寄せた三牧聖子氏に超大国を揺るがす「格差と分断」の実態を伺った。

「社会主義嫌い」のアメリカで異変…なぜ中間選挙で「民主社会主義」が注目されるのか?
「自由と平等の国」を掲げながら、長年にわたって社会主義をタブー視してきたアメリカ。ところが今、そのアメリカで「民主社会主義」と呼ばれる新たな政治潮流が支持を広げている。背景にあるのは、深刻な経済格差や物価高、そして「アメリカンドリーム」への失望だ。トランプ政権の行方を左右する11月の中間選挙を前に、アメリカ社会で何が起きているのか。国際政治学者で、『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からのアメリカ史』の推薦者でもある三牧聖子氏に聞いた。

ニューヨーク市長選での「民主社会主義者」マムダニ候補や2州の知事選での民主党の勝利は「富裕層による富裕層のための政治」を進めるトランプ政権への逆風の強まりを示す。だが、民主党内はリベラル派と現実路線の中道派で一枚岩ではなく、来年の中間選挙に向けトランプ政治への統一した対抗軸を出し党勢を回復できるかはなお不透明だ。

トランプ政権の消費者よりも製造業保護を重視する関税政策やDEI撤廃、研究機関や大学の予算や助成縮小などの科学技術軽視は中国・毛沢東時代の大躍進政策や文化大革命を彷彿させ、「MAGAマオイズム」といっていい。トランプ氏は、国民の生活レベル低下や人材流出で米国を衰退させたという最悪のレガシーを残す可能性がある。

ウクライナの停戦を巡る米ロ首脳の電話協議はエネルギー施設などへの攻撃停止が合意されたものの、完全な停戦や恒久的な和平への道筋は描けないままだ。なぜトランプ大統領はプーチン大統領にここまで宥和的なのか。トランプ氏の世界観や政治観、私的な書簡からもプーチン氏との「価値観の共有」が明らかだ。米ロ両大国の利害優先で停戦が図られる懸念は払拭できない。
