
三牧聖子
トランプ政権の消費者よりも製造業保護を重視する関税政策やDEI撤廃、研究機関や大学の予算や助成縮小などの科学技術軽視は中国・毛沢東時代の大躍進政策や文化大革命を彷彿させ、「MAGAマオイズム」といっていい。トランプ氏は、国民の生活レベル低下や人材流出で米国を衰退させたという最悪のレガシーを残す可能性がある。

ウクライナの停戦を巡る米ロ首脳の電話協議はエネルギー施設などへの攻撃停止が合意されたものの、完全な停戦や恒久的な和平への道筋は描けないままだ。なぜトランプ大統領はプーチン大統領にここまで宥和的なのか。トランプ氏の世界観や政治観、私的な書簡からもプーチン氏との「価値観の共有」が明らかだ。米ロ両大国の利害優先で停戦が図られる懸念は払拭できない。
