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複数の銀行を一元的に利用できるシステム決済を開発 ビリングシステム社長 江田敏彦

週刊ダイヤモンド編集部
【第35回】 2008年6月13日
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ビリングシステム社長 江田敏彦
ビリングシステム社長 江田敏彦

 「金融機関ごとに決済の仕組みをつくらなければならない。複数の取引銀行があるので煩雑だ。ひとつの決済システムで対応できれば効率化できるのに」

 顧客からのこの言葉が江田敏彦を起業に踏み切らせた。

 江田は、23年の銀行生活のうち18年間にわたってシステム企画畑を歩いてきた。江田が、銀行を退職する前の数年間かかわっていたのが、大企業向けにそれぞれの顧客に合わせた決済システムを企画提案する業務。そこで、多くの顧客から冒頭の言葉を繰り返し聞いたのだった。銀行それぞれの都合でつくられたシステムはあっても、顧客側から一元的に利用できるシステムがなかった。

 江田はインターネットを利用してそうしたシステムをつくれないかと考え、企画をまとめた。顧客企業にも提案し、一定の評価を受けた。しかし、時は1990年代後半。メガバンクが誕生し顧客を囲い込もうとしているなかでは、日の目を見るアイディアではなかった。銀行員の立場では無理と見切った江田は、アイディアを実現すべく銀行を退職し、退職金を元手に2000年6月ビリングシステムを興す。

入金確認作業もシステムに組み込み
ほかにない優位性確立

 江田がつくり出したシステムの特徴は、取引先金融機関との決済を一括して請け負うだけではない。通常の決済システムは、請求書の発行はするものの、入金確認は請求書のデータと口座の明細を見ながら手作業で行なわれる。この手作業での工程を同社のシステムは組み込んでいる。そのぶん、業務が効率化できるわけである。

 しかし、起業後の道のりは平坦ではなかった。決済システムは銀行の生命線。それを侵食しようとする動きを歓迎するわけもない。各金融機関とつながって初めて、同社のシステムは機能するわけだが、つないでくれる金融機関はなかった。

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