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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

組織変更で業績悪化は解決しない「組織は戦略に従う」

上田惇生
【第193回】 2010年5月10日
著者・コラム紹介バックナンバー
ダイヤモンド社刊
2100円(税込)

 「組織の構造とは、組織が目的を達成するための手段である。したがって構造に取り組むには、戦略から入らなければならない」(『マネジメント[エッセンシャル版]』)

 このことを最も簡明に、かつインパクトのある表現にまとめた言葉が、経営学者アルフレッド・D・チャンドラーJr.の名言「組織は戦略に従う」だった。

 業績が悪化すると、組織のせいにして、組織をいじり出す。組織改革なるものの多くが、この手のものである。ところがさしたる知恵もないために、どこかからモデルを借りてくる。

 しかし、組織づくりの最悪の間違いは、絵に描いたモデルを生きた組織に機械的に当てはめるところから生じる。組織は、それぞれの企業の状況と戦略に従って決めるべきものである。

 ドラッカーは、「業績を自動的に上げる組織があるに違いない」などという考えを捨てよと言う。

 大事なのは、組織のなかの人間が、成果を上げやすくすることである。組織を変えるだけでは、問題の解決にはつながらない。

 もちろん、組織の基本的なパターンは知っておいたほうがよい。しかし、そのどれを使うかは、戦略いかんである。組織の条件は、シンプルでわかりやすいことである。組織は働く人たちの生産性を高めるための道具である。

 「今日必要とされているものは、正しい構造(組織)の探求ではなく、それぞれの仕事に合った構造の探求であり、発展であり、評価である」(『マネジメント[エッセンシャル版]』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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