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大手流通のワケあり商品セール
本末転倒になりかねない販促

週刊ダイヤモンド編集部
2010年6月9日
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 お茶ペットボトル500ミリリットル58円、カップ麺78円──。5月29日、イトーヨーカ堂160店舗で、加工食品が通常販売価格の3~5割安で大量放出された。「ワケあり」商品と呼ばれるもので、賞味期限が間近になった商品や過剰在庫品がアウトレットとして売りに出された。4月下旬に続く第2弾だ。

 イオンも同じような販売手法を展開。ディスカウント業態のザ・ビッグなどで、プライベートブランド(PB)のトップバリュやメーカーブランドの加工食品を値引き販売している。6月からは、全国のジャスコでも賞味期限が迫った商品を値下げ販売する予定だ。

 割安なPBの投入や、古着等を現金下取りするセールに続く、新手の販促手法だ。

 通常、スーパーは加工食品の賞味期限の取り扱いに自主基準を設けている。製造日から数えて賞味期限まで3分の1を経過した商品は、卸業者から受け取らない。

 しかし、実験的に始めた食品アウトレット販売が好調なことから、ヨーカ堂もイオンも継続する姿勢を打ち出している。

 とはいえ、食品メーカーは在庫が出ないよう計画生産している。主に飲料、カップ麺、菓子など新商品投入のサイクルが短い商品で在庫が発生しやすく、ディスカウント店などに流れているというのが従来の構図だった。

 したがって、全国に200店舗前後を擁するイオンやヨーカ堂に恒常的に提供し続けられるほど、「大量の在庫はない」(食品メーカー幹部)。しかし、大手小売りは食品メーカーや卸に過剰在庫の提供を呼びかけており、このままでは在庫の争奪戦になりかねない。

 消費者は安く買えるし、廃棄処分するより地球環境にもいい。有料で在庫処分できるのはメーカーにとってもメリットがある今回の販促ではあるが、それも行き過ぎれば本末転倒になる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 須賀彩子)

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