サッポロドラッグストアー(北海道札幌市、富山睦浩社長)は、ヘルス&ビューティケア(H&BC)の専門店を展開する韓国のCJ olive young株式会社(韓国ソウル市、ホミンホ 代表理事、以下CJオリーブヤング)との業務提携を発表した。今後は両社間において人材交流をおこない、販売ノウハウの共有や、取り扱う商品を相互に補完していく。

 CJオリーブヤングの親会社であるCJグループは、もともとサムスングループの製糖事業が発祥で、以後サムスンからは分離独立。現在はフード&フードサービスを中核事業に、バイオ・ファーマ事業、エンターテイメント・メディア事業、そしてCJオリーブヤングを含むリテール&ロジスティクス事業を展開する流通コングロマリットだ。

 CJグループは1999年にH&BC専門店を韓国で初めて出店。2002年には香港の流通大手デイリーファーム社と折半で出資してCJオリーブヤングを設立した。2009年にはデイリーファーム社より全株取得し完全子会社化。ソウル首都圏を中心に韓国全土で73店舗(2009年7月現在)を展開しており、2008年の売上高は約1000億ウォン(約85億円)で、韓国のH&BC流通チャネルとしてはトップに位置する。20代~30代の女性をコアターゲットとし、売上高構成比はビューティケアが約50%、ヘルスケアは約10%を占めている。

 サッポロドラッグストアーでは、今回の業務提携以前から韓国のH&BC商品を展開していたが、今後はCJオリーブヤングの仕入れ機能をいかして品揃えの幅を広げていく考え。また、CJグループではリテール&ロジスティクス事業部内にCJオリーブヤングのほか、テレビやインターネットを介した販売チャネルを展開しており、共通の商品も販売する。リアル店舗との相乗効果を生み出す無店舗でのマーケティング手法を取り入れていく方針だ。

 そして、エンターテイメント・メディア事業部の持つ若い女性向けの訴求力、「引き付けられるようなインパクトある内装や、商品ディスプレイなどを取り入れていきたい」(富山睦浩社長)という。

 CJオリーブヤングの店舗はすべて直営だが、今後はフランチャイズによる出店を強化し、2011年末には300店舗、2013年末には500店舗体制とする中長期計画を立てている。しかし韓国国内では、香港資本のワトソンズが店舗網を拡大しており、それに対抗すべき戦略が必要となっていた。

 韓国では日本のような卸機能がほとんどないため、CJオリーブヤングでは日本ブランドの商品は商社経由の仕入れを中心に売上高の約2%にとどまる。今後は日本の高付加価値のH&BC商品をサッポロドラッグストアーを介して強化し、ワトソンズを含め競合との違いを明確にしてきたい考えだ。

 また、韓国における医薬品の販売は、販売資格を持つ薬店だけが扱える規制があるが、今後は規制緩和の見込みもある。「韓国には本当の意味でのDgSという業態は存在していない。サッポロドラッグストアーの医薬品販売の手法を早くから学びたい」とホミンホ代表理事は話し、商品政策とともに将来を見据えた医薬品展開でも業務提携のメリットをいかそうとしている。

 両社では今後バイヤーの相互交流を深め、商品補完を最優先に実現させていく方針で、サッポロドラッグストアーでは、今秋にはCJオリーブヤングから仕入れた商品を日本国内の店舗で展開する見込み。マツモトキヨシホールディングスとの提携関係に大きな影響はないという。

「ドラッグストアニュース」6月号 好評発売中!

サッポロドラッグストアー<br />韓国CJグループの<br />H&BC専門店と業務提携

6月号の『ドラッグストアニュース』は、注目の特集が目白押しです。第1特集は、薬事法改正で登場した新資格者・登録販売者にスポットを当て、全国初の企画としてまとめました。ドラッグストアはもちろん、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで働く彼らの現場レポートも必見です。
第2特集は、2010年上半期の注目新業態レポート。マツモトキヨシやイオン、セブン&アイはじめ、MUJI、@cosme store、薬日本堂の新たな訴求ポイントに注目です!
企業レポートは、狭域高密度出店で付加価値を生み出すサンキュードラッグ(福岡県)、イオングループスーパーマーケットでの医薬品販売モデルを構築した琉球ジャスコ(沖縄県)が登場します。
その他、カウンセリングとプロモーション情報を満載した『ドラッグストアニュース』をお見逃しなく!
購読のお申し込みはこちらから