
すき家と出前館で「ネズミの混入」、焼肉きんぐでは「嘔吐客の放置」――2025年に、立て続けに起きた大手飲食チェーンの不祥事に、SNSは大炎上。なぜこうした、“ありえないトラブル”が繰り返されるのでしょうか。一見まったく異なるように見えるこれらの事案ですが、実は店員の対応や企業の体質に共通する“ある構造的な問題”が潜んでいるのです。その本質に気づくと、今後も起き得る“新たな危機”の予兆が見えてきます。(百年コンサルティングチーフエコノミスト 鈴木貴博)
焼肉きんぐとは大違い
新宿の老舗ラーメン店の酔客対応
すき家が4月3日まで全国一斉に一時閉店になりました。鳥取県の店舗で味噌汁にねずみの死骸が入っていた画像がSNSで拡散した事案がきっかけなのですが、謝罪をしたうえで全店で4日間、清掃作業や衛生面での対策を講じることになりました。
違う事案ですが、焼肉きんぐで泥酔した客が30分にわたってテーブルで嘔吐し続けるという事案が起きました。放置されたままの泥酔客が見える席で食事させられたユーザーがSNSに投稿して話題が拡散したものです。食欲がなくなって途中で帰ることになった投稿主は、代金は普通に払ったといいます。
どちらもSNSが問題を広めている点で形は同じですが、それ以外はまったく違ったトラブルに見えます。しかし、この2つの事案は、飲食店経営にとってまだ指摘されていない新しいタイプのトラブルだと私は感じています。放置しておくと、また違う形で別の事件が起きます。違う事件なので同一事件だとは誰も気づかない。それを記事にまとめたいと思います。
「私もかつて似た体験をしたことがある」という話から始めます。