「危険水域」である上位集団には、リテール(個人向け)の営業関係の職種が居並ぶ。

 1位は個人向けの銀行営業職だ。顧客の資産や収入に見合う最適な商品プランを提案する、といった銀行営業の仕事は、過去の膨大な情報を基に最適解を探るAI(人工知能)が強みを発揮する分野でもある。株や投資信託などの金融商品を売り込む3位の証券営業も同様だ。

 2位は生命保険を販売する保険外交員、いわゆる「生保レディー」だった。マンパワーの営業攻勢に頼る旧来型の手法は人件費がかさみ、保険料も高くつきやすい。ネット専業生保が手ごろな保険料を武器に存在感を放つ中、競争環境は厳しさを増している。年齢や職業などの情報から契約希望者に最適なプランを提示するなどIT(情報技術)活用がさらに進めば、生保レディーへの消費者のニーズは一段と遠のくことになる。

 4位は銀行窓口業務(テラー)となった。預金の受け入れや払い出しといった窓口業務を担当しているが、今後ずらりと店頭に並ぶ銀行員がロボットに置き換わる日が来てもおかしくはない。みずほ銀行がソフトバンクグループの人型ロボット「ペッパー」を一部店舗に導入した事例も出ている。

 契約書作成やコールセンターといった業務を担うバックオフィスが5位だった。マニュアルにのっとった機械的な業務が中心のため、ロボットなどに取って代わられやすい、というわけだ。

CFOすら不要!?
ランキング外の職種でも安心はできず

 6位に入ったのは銀行の融資・審査の仕事だ。担当者は企業への資金の貸し出しに当たり、万が一にも融資先が倒産し、資金を回収できなくならないよう、財務状況などを審査した上で融資するかどうかを決める。その緻密な財務分析は、AIが得意とするところ。銀行業の本丸である融資や審査に至るまで、人手を要しない時代が刻一刻と迫っているともいえる。

 融資や審査だけでなく、現在はCFO(最高財務責任者)すら不要になると訴える新参者もいる。クラウド会計ソフトを手掛けるfreeeは、AIを活用した「人工知能CFO」を実用化する構想を描く変わり種だ。

 freeeは今年5月、クラウド会計ソフトの自動仕訳に関する人工知能技術の特許を取得。AIを用いた融資や経理分析に関する取り組みを発展させ、借り入れの判断や資金繰りのシミュレーションといった領域まで手掛ける人工知能CFOを「2年程度で実現させたい」(横路隆CTO)との将来像を描く。