プラグインはEV走行重視へと進化
バッテリー式EVとの勢力図は変わるか

 プラグインハイブリッドカーが「ちょっとEV」ではなく「けっこうEV」になることで興味深いのは、バッテリー式EVの行方だ。競合が激化することはまず間違いないところだが、果たして勢力図に変化は起きるのだろうか。

 三菱自と日産が相次いでEVの量産モデルを一般発売したのは2010年のこと。プラグインハイブリッドカーよりかなり早い段階での登場で、当時は多くのマスメディアが「あっという間にエンジン車は駆逐され、電気自動車一色になる」だの「EVは作るのが簡単だから自動車産業は解体に向かう」だのとセンセーショナルに煽り立てた。

 ところが、実際にはそうはならなかった。なぜか。

「電池の性能向上のスピード感が思ったより上がらなかった」(EVエンジニア)ために、航続距離が伸びず、価格も下がらないという苦難の道を歩んできたからだ。最近になってようやく航続距離300kmの声が聞こえはじめてきたが、これとて燃料タンクの小さな軽自動車にも負けるレンジである。

 今日、日本でまともに売れているEVは日産「リーフ」だけである。だが、これはEVの実力だけで売れているわけではない。日産は先行投資として多くの日産ディーラーに急速充電器を設置し、その投資額を考えるときわめて安価な定額料金でそれらを使い放題とするという大胆な策を打った。

プリウスPHVの脅威、“純”電気自動車は駆逐されるか日産は「リーフ」発売に伴い、先行投資として多くの日産ディーラーに急速充電器を設置した Photo by K.I

「航続距離が短い」というEVの最大の弱点を弱点でなくしてしまおうという強引なワザだったが、果たしてEVユーザーからは大いにポジティブに受け止められた。リーフはすでにモデルライフ後半に差しかかっているが、2015年も国内販売台数は9000台を何とかクリアした。

アウトランダーPHEVに負けた「リーフ」
今度はプリウスPHVが難敵として登場

 手厚いサポートで何とか台数を増やしてきたEVだが、実はすでにプラグインハイブリッドに押され気味という様相を呈していた。2015年、アウトランダーPHEVは約1万1000台が売れ、初めてリーフが逆転された。

 今年はリーフの性能アップと三菱自の燃費不正によるイメージダウンの相乗効果でふたたび首位の座を走っているが、アウトランダーPHEVが落ちたと思いきや、今度はEV性能強化版のプリウスPHVが難敵として立ちはだかることになった。