年末商戦は企業にとって最重要期
2010年末はどんな商戦になる?
各企業にとって年末年始というのは1年間の売上を確保する上で最重要シーズンであり、決して失敗できない商売のポイントとなる時期です。
特に年末商戦は、昔から商売をする者にとって失敗すれば死活問題。ここで売上を確保しないと、借りていたお金や掛けを清算できず、商売を続けられなくなってしまうからです。つまり、新年を無事に迎えるための最重要期間が年末商戦なのです。
しばらくの間、日本では年末商戦は1つのお祭り的な位置づけになっていた感がありますが、この数年、特に今年はデフレが予想以上に続いていることもあり、年末商戦の結果が各企業の存続にもつながるほどの大事な商戦となります。
2010年の年末商戦はどうなるのか。
1つだけ確実に言えることは、昨年までと同じような売り方しか考えていない企業は売上がとれず、それは企業の今後に大きな影響を及ぼす大打撃を与えるということです。今はそれほど厳しい時代です。
では、10年年末に売上を上げるための条件とは一体何なのでしょうか。今回はさらに、年末商戦の戦い方を考えることで、11年の企業の方向性も整理してみたいと思います。
10年冬の賞与は増加するのか、減少するのか
まず、年末商戦を占う指標として冬のボーナス支給額があります。ご存知のとおり、ボーナスが多く出れば商戦は盛り上がり、少なければ盛り下がるというのが通例です。
すでに忘れてしまった方も多いかもしれませんが、10年の夏季賞与は前年に比べて1.1%増という結果でした。リーマンショック後の景気悪化で統計開始以来最悪となった09年から改善し、4年ぶりに賞与が増加しました。ここに各種政策効果も加わって、特に家電、車、リフォームなどの業界はプラスに転じました。
厚生労働省が発表した毎月勤労統計調査(速報)では、9月の現金給与総額(事業所規模5人以上)は、1人平均で26万8010円。前年比0.9%増という結果で、増加は7ヵ月連続です。また、所定外給与は9ヵ月連続で増加し、所定内給与も29ヵ月ぶりの増加に転じています。
消費は基本的に所得の変動による影響を受けますので、その意味では消費にとってプラスの動きが出始めているのは事実です。
そして、年末商戦の鍵を握る冬のボーナス予想の一部が発表されました。民間企業(従業員5人以上)の10年冬のボーナス予想によると、1人当たり平均支給額は前年比2%増の38万8000円と2年ぶりにプラスとなりそうです。また、日本経団連が発表した大手企業の冬のボーナス妥結額は前年比3.8%増の77万6949円。07年以来、3年ぶりのプラスになりそうな気配です。