今回のように会社が副業の手続きを制度化して後押ししてくれることには十分意味があるが、できれば、もう一歩進めて、副業が原則自由でなければならないことを法制化し、副業を禁止できる例外規定を狭い範囲で明確化するなど、公的な制度として、副業を後押ししてほしい。

個人から見た副業の
メリット・デメリット

 筆者は、現職場及び前職場にあって、あらかじめ副業を広範に認めてもらう条件で雇用契約を結び、十数年にわたって、本業よりもむしろ副業(敢えて一言でまとめると「経済評論家」。この原稿を書く仕事も副業の側だ)の方により時間を使うくらいの「副業ヘビー」な働き方を経験してきた。また、それ以前は、ペンネームで原稿を書くなど、会社に隠れた副業を経験した時期が数年ある(本名を隠した仕事は、後の実績としてほとんど生きなかった。自分としては残念な時期であった)。

 自分の実感も正直にリストアップしつつ、副業のメリット・デメリットを点検してみたい。

 メリット・デメリット双方に、社員本人の側の個人的なものと、会社の立場からのものとがある。

 先ず、個人的なメリットから挙げてみよう。なお、断りのない限り、勤めている会社の仕事の方を、慣例に従って「本業」と書くことにする。

 【副業の個人的なメリット】

(1)「気分転換」
 会社にやらされる仕事以外に、張り合いのある仕事を持つことはいい気分転換になる。同じ事をするのでも(原稿を書く、料理をする等)、他人からの報酬(同時に〆切りや責任もある)を伴う「仕事」の方が、遙かに張り合いがある。

(2)「収入」
 それほど多くない場合でも、副業による収入は嬉しいものだ。

(3)「自信」
 会社以外の場所で自分が役に立ってお金を稼げている事実は、自信にもなる。

(4)「保険」
 本業の会社が傾いた時、リストラの対象になった時、本業での居心地が悪化した時など、本業を離れる可能性を考えた時に、副業は収入確保上の、また社会的な居場所の確保上の精神的な「保険」として機能する。

(5)「人間関係の拡がり」
 副業を通じて、本業では会えない人とも、人間関係が拡がることがある。