種子・農薬最大手の米モンサントに買収提案を行い、統合交渉中の独製薬大手バイエルの農業部門トップに、買収の狙いなどを聞いた。

Photo by Hirobumi Senbongi

──米モンサント買収の狙いは? 同社と独バイエルの農業部門、バイエルクロップサイエンスの種子・農薬の売上高は合計すると2.7兆円で、世界最大の農業資材メーカーになります。

 農業にイノベーションを起こすためです。世界人口は2050年ごろに100億人に達するといわれています。急増する食料需要を満たす技術を開発し、それを普及させる力を付ける必要があります。

 種子・農薬業界では、開発費が高騰し開発期間も長期化しており、規模拡大が重要になっています。

──バイエルは農薬に強く、モンサントは遺伝子組み換え作物(GMO)種子の最大手です。両社の強みが合わされば競争力が高まるということでしょうか。

 その通りです。成長戦略の柱は、高品質な「農薬」と「種子」、ITを使って農業の生産性を高める「デジタル農業」の三つです。バイオテクノロジーやITは目覚ましい進歩を遂げており、農業に技術革新を起こすチャンスが到来しているのです。