グーグルやテスラ、他の自動車メーカーが完全な自律走行車を慎重に開発している傍らで、配車サービスを提供するウーバーがいきなりロボタクシーを路上で走らせ始めた。
ウーバーが米時間9月14日に、路上で自走車による配車サービス、つまりロボタクシーの展開を開始したのは、ペンシルバニア州ピッツバーグ。今後、同市のウーバー利用者は、ロボタクシーによる配車を選ぶことができ、現在市内で14台配置されている自走車が迎えにくる可能性もある。
このロボタクシーに用いられているのは、フォードのフュージョン。車体のてっぺんにマッピングシステムのライダーが取り付けられ、その他に20台のカメラやセンサー、レーダーが搭載されている。
自動運転だが、乗員2名が乗り込む
ピッツバーグは、ロボット研究で世界的に知られるカーネギー・メロン大学のお膝元で、ウーバーは1年半前に同大学のロボット研究所の研究者をごっそりと雇い入れた。カーネギー・メロン大学では、15年以上前から自走車の研究が行われており、現在各社で行われている自走車開発にも同大学の出身者が多い。
ウーバーは、雇い入れた研究者らを地元の同社先端テクノロジーセンター(ATC)に集めて、自走車の開発を続けてきた。そして、たった2年足らずで路上で実用化するというスピーディーさを見せつけたわけだ。
ピッツバーグでは5月からウーバー製の自走車が町を走り回っていたというが、今回の路上での展開では、ウーバーのヘビーユーザーを中心に、自走車かこれまで通りの人間ドライバーによる配車かの選択肢を提供するようだ。
ただ、自走車を選んでも、やってくる車には人間が2人乗り込んでいる。1人は運転席に座り、いつでもハンドルに手がかけられるようにしている「セーフティドライバー」と称する人。もう1人は助手席に座り、コンピュータで走行状況をモニターしている。要は、路上展開とはいえ、ウーバーのテスト走行に乗客を乗せたというパイロット配車というかたちだ。