国際社会で活躍するための英語、と聞くと、“ネイティブ並みに流暢で、ハイレベル”といったイメージを持っている人が多いのではないだろうか。「グローバルエリートが使う英語も、実は高校までの英語とさほど変わりません。ただ、ちょっとしたコツは必要です」。そう話す新条正恵さんは、外資系銀行でヴァイス・プレジデントとして世界の金融エグゼクティブと働いた経験を持つ。連載第7回は、『ロジカルイングリッシュ』から、「伝わる英語」の学び方を紹介する。

仕事で英語を使うチャンスは、突然やってくる

 「海外から急にお客様が来られることになった」
 「来月、シンガポールへ出張に行くことになった」

 職場で英語使うチャンスというのは、突然やってきます。私のレッスンにも多くの方が「1ヵ月以内にビジネス英語を話さなければならない」と来られます。そして口を揃えて「英語を勉強する時間もない」とおっしゃるのです。

 ビジネスの場面で使われる英語もほとんどが、3000語レベルの英単語。これは高校卒業、あるいは大学受験中に習得しているレベルです。そして、これらの英単語は「日常的に英語に触れる時間を作る」だけで必ず思い出せます。来客中、あるいは出張中に、数日経つとなんとなく「英語がわかるような気になる」ことが多いのはこのためです。

 また、日本のビジネスパーソンの多くは英文メール・文書を読んだり、英語の会議に参加して話の内容を理解することはできますが、発言するのはニガテという方が多い。なぜ読み、聞くことはできるのに、話すことはできないのでしょうか?

 発音が悪いから?文法が違っているから?語彙力が少ないから?

 答えはいずれも否、です。私はこれまで20数ヵ国の人たちと共に働いてきましたが、日本人の英語レベルは群を抜いてトップクラスです。ネイティブよりも美しい英語を話す人もたくさんいます。そんな彼らの共通の悩みは「自分の英語は伝わらない」こと。