単語は覚えた、相手の話す英語は理解できる、なのにいざ喋ろうとするとスムーズに言葉が続かない――そんな悩みの原因は思考回路が日本語のままだからだ。英語思考を身に付けるための「メッセージハウス」の手法を『ドクター・ヴァンスの英語で考えるスピーキング』から紹介する。
言葉が続かない、伝わらないのはなぜ?
発音もマスターした、必要な英単語も、どんな場面でも使いこなせるシンプルなものから、業界用語まで覚えたという方の中には、「短い話ならできるようになったけれど、難しい話はなかなかできない」「なんとか勢いよく話し始めるのだけれど、途中で言葉が続かなくなってしまう」という方もいると思います。
また、外国人の上司や得意先の人に「あなたの英語はわかりにくい」とハッキリ言われてしまった人もいるかもしれません。単語も文法もバッチリなのに、なぜ話せないのか、伝わらないのか。それは、思考回路が日本語のままだからです。英語の思考回路を習得すると、驚くほどスラスラと覚えた単語が口から出てくるのを実感できるようになります。
英語で話すときは序・論・結で
日本語の思考回路では、起承転結の順番に文章を組み立てます。英語の思考回路では、序・論・結となります。はじめに序論、そして論拠や証拠、最後に結論を伝えます。
例えばシステム開発プロジェクトで、予想もしていなかった問題が発生し、納期が遅れそうなケースで見てみましょう。日本語では「ABCプロジェクトは、これまでスムーズに開発が進んでいましたが、予想外の問題が発生しました。開発チームが一丸となって、問題に対応しましたが、現時点で1週間の遅れが発生しています。このままですと、納期が1週間ほどずれ込む見込みです」
英語でもついこの順番で話してしまいがちですが、序・論・結で同じ報告をしてみましょう。「ABCプロジェクトの納期が1週間ほどずれ込む可能性が出てきました。先日、予想外の問題が発生し、その影響でスケジュールが1週間遅れています。このままですと、納期も遅れる見込みです」となります。