今回のテーマは、お陰さまでご好評をいただいた筆者の前作「長寿県と短命県でこんなに違う!食事と生活習慣【男性編】」の続編となる【女性編】をお届けしたい。男性編と同様、女性が相対的に長寿な県と短命な県とでは、各種食材の消費量や生活習慣・環境などがどの程度違っているのか、整理・確認していきたい。
方法としては、男性編と同様に、平均寿命ベスト3県とワースト3県のそれぞれで、県民の食習慣や生活習慣が他県と比べてどんな点で際立っているかを洗い出し、その結果を手掛かりにする。
また、本稿で明らかにするのはあくまでも相関関係であり、因果関係ではない点に注意いただきたいのは前回と同様である。
なお、都道府県別の平均寿命は、厚生労働省による平成22年(2010年)の都道府県別生命表を元にしている点も同じである(※東日本大震災は平成23年)。
まず、これらの県の平均寿命とその偏差値は以下のようになっている。
平均寿命 偏差値 男性(参考)
1位 長野県 87.18 68.9 80.88(第1位)
2位 島根県 87.07 66.2 79.51(第26位)
3位 沖縄県 87.02 65.0 79.40(第29位)
: :
5位 新潟県 86.96 63.6 79.47(第27位)
: :
45位 和歌山県 85.69 33.3 79.07(第37位)
46位 栃木県 85.66 32.6 79.06(第38位)
47位 青森県 85.34 24.9 77.28(第47位)
全国(単純)平均 86.35 - 79.59
さらに、各県の年齢構成の違いから生じる影響を取り除くという意味で、「年齢調整死亡率(年齢構成調整後の10万人あたりの死亡者数)/平成22年(2010年)」も見ておこう。
年齢調整死亡率 偏差値
47位 長野県 248.8 29.5
46位 新潟県 254.6 34.3
45位 島根県 254.7 34.5
: :
34位 沖縄県 267.0 44.6
: :
3位 和歌山県 294.5 67.4
2位 栃木県 295.7 68.3
1位 青森県 304.3 75.5
以上の結果を男性と比べてみると、男性では両ランキングの順位は同じであったが、女性の場合、「年齢調整死亡率」で沖縄県がぐっと順位を下げ、「平均寿命」で5位だった新潟県が「年齢調整死亡率」では第3位に浮上していることが分かる。また、上位と下位の寿命の差は、女性のほうが男性よりも小さくなっている。男性に比べて、女性のほうが地域の違いによる生活習慣の差は小さいということだ。